Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.40
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2008  40
ワークショップ5
5大がん オンコロジストからの提言:シームレスな医療のために
座長・報告 東京都立駒込病院 佐々木常雄
座長 静岡県立静岡がんセンター 本山清美
 このワークショップでは、実際の医療現場で活躍されている医師の方々に、胃がん、大腸がん、肝がん、肺がん、乳がんについて講演していただいた後に、病院長である医師の方に「オンコロジストと緩和スタッフをつなげて行くための提言」という特別発言をしていただいた。各がんの標準的治療や臨床経過だけでなく、緩和医療へのスムーズな移行や多職種チーム医療を実践していくうえでのポイント、緩和スタッフへの期待や熱いメッセージなどが盛り込まれており、講演内容は大変濃密で興味深いものであった。
 座長の時間調整不足のため、総合討論の時間が予定より短くなってしまったが、会場の方と演者との討論では、実際の臨床現場でみられる役割の違いによる認識のずれが明確となり、今後の課題も見出せた内容になっていた。緩和医療を行うスタッフと抗がん剤治療や手術などの積極的治療を行うスタッフとの“認識のずれ”をうめていくためには、まずはお互いの役割を正しく理解することが必要である。役割を理解する時は、それぞれの段階で行われている治療やケア、特に患者や家族が抱えている問題に誰がどのようにかかわっているのかを知ること、またその役割を遂行するうえでの限界や課題などについて、お互いに話をして聞く姿勢をもつことが重要になる。
 今後は、学会や研究会、施設内などで、それぞれの役割に期待すること、改善してほしいこと、協力して問題解決していきたいことなどをフランクに話をする機会をつくっていくことがより重要になってくるのではないかと思われる。特別発言のなかで出された円滑なコミュニケーションがとれる“チーム医療”を実践していくことが、シームレスな医療の実践へとつながることを改めて感じたワークショップであった。

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