Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.40
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2008  40
シンポジウム4

がん治療・緩和ケアにおける補完代替療法:
正しい理解と患者サポートのために

座長・報告 金沢大学 補完代替医療学 大野 智
座長    国立国際医療センター 有賀悦子
 我が国のがん患者の35〜45%は補完代替医療を利用しているとされている。しかし、補完代替医療に関する正確な情報は乏しく、患者やその家族への対応に苦慮することが多い。そこで今回、補完代替医療の定義や現状を改めて確認した上で、がん患者と補完代替医療の関係を理解し、日常の診療・ケアに活かせるノウハウを習得することを目的にシンポジウムが企画され演者として4人が登壇した。
 兵頭一之介先生(筑波大学)には、総論としてがんの補完代替医療の定義や分類を解説して頂いた。また、がんの補完代替医療の問題点として「科学的根拠(臨床試験)の不足」「医師と患者のコミュニケーション不足」などに言及された。住吉義光先生(四国がんセンター)からは、がんの補完代替医療に関する臨床試験の重要性を改めて強調するとともに、現在、厚労省研究班が行っている臨床試験の取り組みを紹介して頂いた。今後の課題として臨床試験を実施するにあたっての研究資金・人材などのサポート体制の必要性を訴えた。黒丸尊治先生(彦根市立病院)からは、緩和ケア病棟における補完代替医療の取り組みに関する具体的な事例について、リラクセーションを目的としたものと治療的意味合いを含めたものに分類したうえで患者とのコミュニケーションの重要性も踏まえ紹介して頂いた。所昭宏先生(近畿中央胸部疾患センター)には、がん患者が補完代替医療を利用する心理・行動面に関して調査結果を交えて解説して頂いた。患者が補完代替医療を利用するにあたってのアクセル役としては「家族からの期待」、ブレーキ役としては「医師・看護師の否定的な態度」が挙げられることを示した。
 総合討論では、補完代替医療の用い方をめぐり、医師と患者のコミュニケーションの問題や今後の課題について意見が出された。本シンポジウムでは聴講者も立ち見が出るほどであり、改めて会員の補完代替医療に対する関心の高さを伺い知ることができた。
 なお、会場で資料として配付した「がんの補完代替医療ガイドブック(第2版)」は充分な部数を用意したにもかかわらず全ての方にお渡しすることができずこの紙面を借りてお詫び申し上げたい。追加で要望される場合は、以下に問い合わせ頂きたい。

〒920-8640 石川県金沢市宝町13−1
金沢大学補完代替医療学講座
大野 智
TEL: 076-265-2147
satoshio●med.kanazawa-u.ac.jp
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