Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.39
日本緩和医療学会ニューズレター
May 2008  39
学会印象記
コミュニケーション・スキル・トレーニング(CST)
ファシリテーター養成講習会に参加して
新潟県立がんセンター新潟病院 内科(血液・化学療法科)  今井洋介
 まず最初に、講義:2時間、グループ・ワーク:28時間、および実践:10時間、計40時間におよぶ講習会を、完遂できたことについて、スタッフの方々、模擬患者の皆様、同期、および先達のファシリテーターの方々、そして、職場のスタッフに感謝します。
 今から10年前、現在の職場に配属されてから、全身化学療法、造血幹細胞移植、分子標的治療、と、手を換え品を換え、がんとの闘いに明け暮れてまいりました。
 全てをまかせて移植に臨まれる患者との約束が、一定の確率で果たせない現実の中で、スタッフが増員された数年前より、院内で、「いのちをめぐる連続講演会」を開催したりし始めておりました。
 そのような折に、数年ぶりにのぞいたサイコオンコロジー学会のホームページにて、CSTをしりました。最初は半信半疑にて参加した、計10時間の講習会は、圧巻でした。高橋・佐藤、両ファシリテーターの慈愛に満ちたポジテイブフィードバックにのせられて、慎重に慎重に、心を合わせていくと、模擬患者さんの両眼から突然滝の如く涙がほとばしり、茫然自失となりそうなところをなんとか踏みとどまって再び共感を示し・・・。今まで、自己流に「なんとなく」用いていた言葉や仕草が、実に精密に分析、分類され、まったく別の次元での討論がなされていました。
 一発で、「はまり」ました。
 この世界をもっと知りたい一心で、周囲の迷惑も顧みず、外来を休診にし、旧知の下越病院心身科、今村医師をほぼ強引に引っ張りこみました。
 そしてようやく参加できたファシリテーター講習会では…。
 組み分けされたグループでは、北陸隣県の極めて魅力的な先生方と一緒に、内富先生の指導を受けることができました。
 ファシリテーター・サブファシリテーターのみでなく、医師役、オブザーバー役と、それぞれの役を担当することにより、このCSTの持つパワーや可能性のみでなく、問題点や困難なところが次々と顕わになり、一同、時には頭を抱えながら、時には大笑いしつつ、討論を繰り返しました。
 最初に参加したCSTにおいてわたしはほとんどノックアウトされかかっていたのですが、今回の講習会では、模擬患者さん達の実力をさらに実感しました。時には模擬患者さんにも討論に加わっていただき、「患者という視線」からの意見の数々も、得がたい貴重なものでした。
 最後の10時間。実際のCSTでの初ファシリテートでは、4名のいずれも中堅〜ベテランの外科の先生方を担当させて頂きました。日本各地より、それぞれ、何か「想い」をもって集われた方々に、何かを持って帰っていただけるのかどうか・・・実際かなり緊張致しました。
 時間を掛けすぎるくらいに、丁寧に進めていこうと心がけてはいたのですが、実際にどのくらいの気付きが得られましたでしょうか?私自身は、野崎医師という最高のスーパーバイザーを得て、ファシリテートの奥深さを知りました。
 CSTとの付き合いは始まったばかりです。これから、どのような学びや出会いがあるのか、本当に楽しみにしています。

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