Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.39
日本緩和医療学会ニューズレター
May 2008  39
学会印象記
コミュニケーション技術研修会におけるファシリテーター養成講習会参加して
福井県済生会病院 産婦人科  里見裕之
 僕がサイコオンコロジーなるものと初めて遭遇したのは平成19年10月18〜19日に大阪市の天満研修センターであった。第1回がん医療に携わる医師に対するコミュニケーション技術研修会(CST)に運良く参加させていただき、CSTの重要性を学び、福井に戻り現場でその有用を実感した。自分ではコミュニケーションはうまく取れるほうだと過信していたが、実はひとりよがりなものだと反省している。今では「伝えることは聴くことに始まる」と考えている。
 さて、JPOSが今までに蓄積したノウハウをスキルという形で伝授され、それをまた新しい人に伝えていく支援者になるのが今回のファシリテーター養成講習会の目的である。しかし、はたしてそのような大仕事が自分に務まるのだろうかという不安を抱えながら、平成19年の12月末から計8日間、柏市に通った。我々のグループは、福井県、石川県、新潟県の医師で構成されており、なんとなく北陸チームという一体感が最初からあった。初めのうちは照れがあったが、夜の食事会を通じて、毎日の臨床現場で熱くなっている男たちのドラマを見ているようで、青春時代の再現のような気さえした。SHAREのプロトコールからできるだけ外れないように基本に忠実が自分たちの使命だと考え、「ロール・プレイを短くきり、緊張を持続させない」や「REに対してpositive feedbackを与える」を徹底的に練習した。
 そして、ついに平成20年2月7日、8日に、さわやかちば県民プラザで第4回のCSTが開催された。福井でも雪は降っていなかったのに首都圏には積雪があり、同行した谷先生と苦笑した。この2日間は、自分たちがしてもらったことのお返しが少しでもできればという気持ちで臨んだ。思ったようにいかなかった部分もあるが、参加した医師の積極性にも助けられ充実した2日間が送れた様な気がする。グループ内にひとり女性の先生がおられ、その方のREのすごさに年配の先生たちが驚嘆されるなど、自分たちにとっても学びが多い研修だと感じた。教えることで学ぶという実際の研修がファシリテーター養成講習会の真髄かもしれない。
 毎回、僕らのために準備をしてくださった国立がんセンター東病院精神腫瘍学開発部のスタッフとつくばSPの皆さんには言葉にできない感謝がある。この活動を地道に続けていくことでお返しできればと思う。またお会いできることを楽しみにしている。

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