Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.38
日本緩和医療学会ニューズレター
Feb 2008  38
学会印象記
日本サイコオンコロジー学会印象記
名古屋市立大学 消化器外科  坂本雅樹
 診療のふとした場面で精神科の先生と顔見知りとなり、緩和ケアに関わるようになりました。それがきっかけで、今回初めてサイコオンコロジー学会に参加させていただきました。
 学会前夜に着いた千歳は小雪のぱらつく天気で、名古屋との気温差は10℃、北海道入りを肌で感じました。会場は他学会で以前訪れたことのある札幌コンベンションセンターで、広くはないが各会場が機能的に配置された良い会場です。外科医の自分とはかけ離れた部門であり、抄録を読んでいてもイメージが湧かなかったため、緊張して会場に足を踏み入れました。主に2会場でさまざまなシンポジウムや講演が行われ、ポスター会場は2日間フルオープンでゆっくりと拝見することができました。演題の数は多くはないですが、その分非常に練られた内容であり、プログラムを作成された方々は非常にご苦労されたことと思います。精神科領域の難しい話ばかりでなく、サイコオンコロジーに詳しくない医師やコメディカルにも配慮した内容が多かったです。
 印象に残ったのが・・・「緩和医療のヒント」では、医師とは違った視線から見た緩和医療についての意見が述べられ、チャプレンという聞きなれない職種の方の、スピリチュアルケアに関する貴重なお話が聞けました。「がん医療において精神科医に期待されること」での、厚生労働省の加藤先生による行政の立場でのご講演は、がん対策基本法に関する行政の生の声を聞くことができました。奥山先生をはじめとしたサイコオンコロジーで活躍されている先生方の経歴を、自ら紹介されるという見たことのない企画「サイコオンコロジストへのキャリアパス」では、どのようにしたら第一線で活躍できるのかを知ることができ、今の自分を反省させられました。ランチョンセミナーでは乳がん患者会の富樫美佐子さんが講演され、患者の気持ちを知る上で勉強になりました。
 残念であった点は、全体的に掲示などの案内が小さかったことです。1日目夜に事前申し込み制のセミナーが予定されていましたが、当日参加も可能になったことを知らずに会場を離れてしまいました。2日目の会場で小さな掲示を見つけ、臍を噬みました。
 何でもありだけど疲れてしまう巨大な学会に比べ、ひとつの会場に座っていて演題をじっと聞いているだけでとても勉強した気分になる、良い学会でした。サイコオンコロジーに関心を持たれる方が増えていき、会員数・演題数がもっと増え、学会がさらに発展していくことを期待します。

Close