Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.38
日本緩和医療学会ニューズレター
Feb 2008  38
Journal Club
ホスピス季節行事について
ピースハウス病院  草島悦子
紹介論文:Matsushima T, Akabayashi A, Slingsby BT, Nishitateno K. Evaluation of a program to celebrate seasonal events for Japanese hospice patients. Palliat Support Care. 2007; 5(3):251-4

【背景】
  緩和ケアのプログラムには、季節の行事や祝い事など、古くから日本人が大切にしてきた慣習が組み込まれることが多い。この研究は、病院で企画した行事に対する患者の受けとめ方を調査し、今後の緩和ケアにおける季節行事の在り方を検討している。
【方法】
  2000年8月から01年7月の1年間に、1緩和ケア施設に入院していたがん患者のうち、質問紙への回答可能な患者を対象とした。調査内容は、1)季節行事に参加した感想、2)季節行事に参加してよかった/悪かった点、3)季節行事に参加した/しなかった理由であった。
【結果】
  調査期間中に在院していた患者155名中、質問紙への回答が可能であったのは48名(31%)、質問紙が回収できたのは43名であった。43名中31名が季節行事に参加し、24名(77%)が「よかった」と回答した。行事に参加してよかった点は、「季節感を味わえた(74%)」、「スタッフと交流できた(52%)」、「楽しかった(48%)」、「気晴らしになった(45%)」、「他の患者と交流できた(36%)」の順で多かった。一方、「時間がながすぎる」「疲れた」「かえって寂しく感じた」「グループの中に入りにくい」等の回答もあった。行事に参加した理由について、「楽しそう」、「気晴らしになる」、「面白そう」が上位をしめた一方、「参加しないと悪い」、「何度も誘われたので」等の回答もあった。参加しなかった理由では、「体調が悪かった」、「興味がない」、「人の多いところにでるのを好まない」等の回答が多かった。
【考察】
  季節行事への評価は高く、特に季節感を味わえたことを評価する者が多かったことは、ホスピスにおける行事開催の意義が患者に認められたと考える。しかし、一堂に会する開催方法は、患者にとって負担になることも確認された。特別な催しを開催するたけでなく、季節の花々、食べ物を通して、季節を感じられることを重要視した工夫をケアの中に取り入れていくことも必要だろう。
【コメント】
  季節行事は、単調になりがちな病院での生活に潤いをもたらすものである。この研究は、患者の立場から季節の行事を評価した貴重な結果である。今後は、季節行事を通して家族がどのように体験しているのかについても、あわせて検討していくことが必要と思う。

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