Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.37
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2007  37
書評
がん闘病とコメディカル医療最前線からの提言
著者:福原麻希(講談社現代新書1894)
カレスアライアンス 天使病院 外科  中島信久
 がんで闘病中の患者さんから「がんについて相談できるところがない」とか「身体とともにこころがつらい」といった言葉がしばしば聞かれます。医師の診療という限られた場面だけでは、十分なこころのケアを受けることは難しいのが現状です。ところで、病院の中には看護師、ソーシャルワーカー、心理士など、こころのケアや相談にのってくれる多くの職種のスタッフが働いています。しかし実際に彼らがどのような内容の仕事をしているのか、どういったことを期待できるのかなどといったことについては、一般の方々や患者さんにあまり知られていません。

 本書では15職種から18人のコメディカルの方々を紹介し、患者さんやご家族が治療やケアを受けていく中で、困ったときに相談できるきっかけづくりをすることを目指しています。看護師、薬剤師、ソーシャルワーカーなど、以前より良く知られている職種に始まり、管理栄養士、音楽療法士、作業療法士、さらには医療コーディネーターや臨床試験コーディネーターなど、最近その活動が充実してきている職種も広く取り上げています。彼らの仕事の内容を紹介するとともに、実際にどのようにして患者さんと関わっているのかを、事例を通して具体的に示しています。それぞれの分野の第一線で活躍されている方々ばかりで、本学会における活動などを通して、お馴染みの方も少なくありません。そうしたことから、より一層の親近感を持って読まれる読者の方も多いことでしょう。

 著者は「治療や闘病で困ったときは、コメディカルに相談しよう」と提案します。さらに、がんと向き合っていく中で、「あなたはひとりじゃないですよ」というメッセージを伝えようとしています。患者さんやご家族に、がんに対する治療やケアの様々な場面で困りごとが生じた際に、彼らが一緒に悩み、考え、解決の手助けをしてくれる良きサポーターとなることで、その人の生き方が豊かで満足のいくものになることが期待されます。

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