Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.37
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2007  37
ポスターセッション P2F-1〜P2F-7
悲嘆のケア(2)
座長・報告 : 岡山済生会総合病院  大塚千秋
 このセッションでは、遺族の悲嘆やがん患者の家族の心理と支援についての研究と取り組みが報告された
 P2F-1:遺族の患者を看取るまでの後悔として、やってしまった後悔とやらなかった後悔に焦点をあてて精神的健康との関連をみた報告であった。人生に関連した後悔は、やらなかったことに後悔が多く、精神的にも不健康であることが報告された。
 P2F-2:夫を看取った壮年期の妻の心理について、余命判明時は受容と否認の葛藤の中にあり緊張感が強く、病状悪化時には夫を気遣いながら希望をかなえたいと願い、看取りの時には緊張感が途切れることを報告された。
 P2F-3:意思表示が困難であった患者の息子の心理過程とニードの関連について報告された。危機に陥った場合の支援はそれぞれの段階に応じた対応が求められ、心理過程を明らかにし根拠に基づいて支援することの重要さを示唆された。
 P2F-4:グリーフケアの一環として死後の入浴を実践したことにより、家族と医療スタッフのケアの満足度が上がったことを報告された。看護師の努力に感心するとともに定着するための課題や問題を検討することが今後必要であると思われた。
 P2F-5:患者の配偶者がアロマセラピーマッサージを患者に行うことで、配偶者の予期悲嘆の促進を支える介入として有効であることが報告された。配偶者だけでなく患者の癒しにもつながったと考えられるが、特性から対象者が限られ定着することの困難さがあると思われた。
 P2F-6:患者の死後1ヶ月を経過して心情を吐露してきた家族の怒りに対し、思い込みをなくし家族の思いを一つひとつ確認しながら、真摯に受け止めかかわることの重要性を報告された。怒りは悲嘆の過程として受け止めることも重要であると思われた。
 P2F-7:壮年期の患者の母親へのかかわりを振り返り、意思決定の支援のあり方について検討された。家族が気持ちを表出できるよう関わることで信頼関係を築き、介護への参加の機会を作って家族らしい過ごし方ができるようかかわることが重要であると報告された。
いずれの発表も興味深く、家族や遺族の心理的援助にかかわる意欲的なものであった。家族や遺族を思う医療者の気持ちや努力を賞賛するとともに、今後更に力を入れていく分野として今後の発展を期待したい。

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