Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.37
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2007  37
ポスターセッション P1P-1〜P1P-12
在宅医療 (2)
座長・報告 : かとう内科並木通り診療所  加藤恒夫
 本セッションは、がん対策基本法のもとにがん対策推進基本計画が閣議決定された直後だけに、各地で積極的に在宅医療に取り組む多くの発表者と聴講者を集めた。
 発表者は病院・診療所・訪問看護ステーションと多彩で、かつ、テーマも「病診連携」「地域プライマリケアチーム連携」「症状管理」「症例報告」「在宅医療の法的考察」と多岐にわたった。
  緩和ケア病棟からは、地域連携における緩和ケア病棟の役割が考察され、病診連携を射程に入れた、入院中から在宅への準備の必要性が述べられた。
 「地域内連携」では、連携して円滑な在宅ケアを運営するための現実的な処置上の工夫や、専門医との連携による在宅ケア円滑化の試みが報告された。
 「症状管理」では、ブロックや持続硬膜外麻酔等の手技の応用が紹介された。
 「法的考察」では、在宅死に対する主治医の行うべき法的義務遂行の考察や、自宅で急変した患者が救急搬送され死亡したときに検視を免れる工夫が報告された。
まとめ:
(1) 今後の社会的課題は、在宅ケアを促進するための「地域連携」であることは自明である。その既視感もあったからであろう、各発表には、在宅ケアを遂行していく様々の工夫と熱意がこめられていた。しかし、発表された病診連携・診診連携の症例数はまだまだ少なく、具体的問題が見えてきにくいという印象は否めなかった。
 今後の課題は、各地の実状に合わせて地域モデルを作り上げ、症例を増やし、それぞれのモデルの特徴をより現実にそくしたものとして磨きあげることであろう。そのためには、各地の病院側と地域側とがそれぞれの立場から、地域連携を前にして直面する各々の問題点を分析し、すり合わせる必要があると思われる。
(2) 今回の大会は参加者が4000人を超える大集会となった。そのためか演題が多く発表時間の制約があり、充分な内容の提示と質疑ができなかった。巨大化した本学会の今後の発表のあり方が問われている。

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