Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.37
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2007  37
一般演題口演4
疼痛(1)
座長・報告 : 和歌山県立医科大学附属病院集学的治療・ 緩和ケア部  月山 淑
 疼痛(1)のセッションにおいては6題の口演が行われた。西群馬病院看護部から塚越弥生さんが「麻薬鎮痛剤に関するイメージ調査に基づく効果的指導の検討」を発表され麻薬性鎮痛剤が使用患者でも寿命や混乱というイメージは持たれないが安全なイメージももたれていないことが解り、患者への正しい情報提供が重要であることを示した。前橋赤十字病院かんわ支援チーム須藤弥生さんは「持続フェンタニルの使用経験」として、フェンタニル持続静脈投与について腸閉塞、経口摂取不能、腎機能障害、モルヒネ副作用例で有効であることを提示された。横浜市立大学緩和ケアチーム田澤利治さんは「神経ブロック療法の適応と限界」で、薬物療法では難治性であった両下肢痛に対して、本人も同意の上でくも膜下フェノールブロックを施行し良好な鎮痛を得たが、運動神経麻痺によるADL低下が患者の不満となった例を提示され疼痛緩和のもつ社会的な困難を感じた。香川大学奥山浩之さんは「疼痛の原因が門脈内血栓症であった胃癌癌性腹膜炎の一例」で、坦癌患者の疼痛が単なる癌性疼痛だけとは限らず、正しく原因検索を行いそれに応じた鎮痛が必要なことを提示された。大阪市立大学宮田妙子さんは「悪性疾患に伴う帯状疱疹及び帯状疱疹後神経痛14症例の検討」でそれぞれの全身状態や原疾患治療計画に配慮して適切なペインクリニック療法を選択する重要性を示された。亀田総合病院の関根龍一さんは「米国での癌性疼痛治療におけるメサドンの役割」で、現在日本では使用できないが、その有用性が高く、採用が待たれているメサドンについて、投与経路、代謝経路、代謝の個人差が大きいこと、薬剤としての特性など詳しく報告された。身体的疼痛の鎮痛は緩和医療における最も基本的な苦痛除去であり、医療者として全力を尽くすべきことであると考える。このセッションでの発表がその一助になることを願っている。

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