Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.37
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2007  37
パネルディスカッション3
小児の緩和医療 こどもと家族
座長 : 聖路加国際病院小児科  細谷亮太
座長・報告 : あおぞら診療所新松戸  前田浩利
 今回、大会1日目におそらく我が国で初の試みである「小児の緩和医療」をテーマにしたパネルディスカッションが持たれた。私は、聖路加国際病院副院長の細谷亮太先生とご一緒にそのセッションの司会進行を担当させていただいた。最初に、我が国における最初の小児緩和医療の専門医である大阪府立母子保健総合医療センターの多田羅竜平先生が、日本における小児緩和ケアの課題というテーマで、小児の悪性疾患の子どもは78%が自宅で亡くなっているという英国の実情などを紹介されつつお話しされた。引き続き、私が、当院がこれまで経験した16例の小児の在宅緩和ケアの取り組みについて、成人との比較も含めて話させていただいた。続いて、聖隷三方原病院ホスピス科の天野功二先生が、1993年に静岡県の小児がん治療施設の医療者によって始まり26回に及んだがんの子どものターミナルケア・トータルケア研究会の議論内容を検討された結果を発表された。最後に、当院の看護師長である佐々木佐代子氏が、在宅訪問看護を行った重度脳性麻痺の児と、小児癌の児のケースを通して、小児の在宅ホスピスケアの看護の実際について発表された。 
 その後、フロアも含め活発な議論が行われたが、それを通して、小児の緩和医療の対象は、悪性腫瘍のみでなく重度心身障害児が非常に大きなウエイトを占めるということ、成人への緩和ケアと小児の緩和ケアは共に学び合うことによって発達できることなど、我が国における小児の緩和ケアの方向性に深く関わることが浮き彫りになった。又、このセッションを通して、我が国においても、小児の緩和医療に関心の深い医師、看護師が増えてきていることを実感し、未来に対して明るい希望を感じた。今後もこのような議論の場が増えてゆくことを期待したい。

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