Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.36
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2007  36
ポスターセッション P2W-1〜P2W-12
疼痛のケア(3)
座長・報告 : 山口大学医学部附属病院 麻酔科蘇生科・ペインクリニック  川井康嗣
 ポスターセッション・疼痛のケア(3)では、オピオイド、鎮痛補助薬、神経ブロックなどの疼痛治療についての発表が行われた。
 フェンタニルパッチに関する演題が4題あり、内容は貼付部位による吸収を残量から検討した報告(吉沢ら 日本医科大学千葉北総病院薬剤部)やモルヒネ注射薬からのローテーション時にフローチャートが有用であるとの報告(立松ら 愛知県がんセンター中央病院薬剤部)、高用量貼付での血中濃度の検討(岩瀬ら 東京大学緩和ケア診療部)、貼付薬の等鎮痛用量のばらつきを注射薬との比較で検討した報告(堀越ら 総合病院土浦協同病院薬剤部)であった。貼付薬の薬物動態における不安定性が多方面から指摘された。
 また、オピオイドの副作用対策や処方に関連した演題が3題あった。制吐薬や鎮痛補助薬によってアカシジアが生じたという報告(福島ら 埼玉医科大学国際医療センター)や、嘔気に対する抗ヒスタミン薬の有効性を抗ドパミン薬との比較で示した報告(加藤ら 日本医科大学薬剤部)は、見過ごされやすい“副作用対策薬の副作用”という重要な問題を指摘していた。その他、薬剤師からみた麻薬・鎮痛薬処方の問題提起(荒井ら 山形市立病院済生館薬剤部)があり、薬物療法における看護師や薬剤師の臨床活動の意義が浮き彫りとなった。
 鎮痛補助薬についての演題は3題あり、ホスピスにおける鎮痛補助薬の使用状況(河村ら 函館おしま病院)や、抗けいれん薬であるガバペンチンが鎮痛に有用であった症例報告(岡田ら 社会保険神戸中央病院緩和ケア病棟)、NMDA受容体拮抗作用であるケタミンが良好な鎮痛効果を示した症例報告(山田ら 金沢大学医学部附属病院麻酔科蘇生科)であった。疼痛管理におけるガバペンチンやケタミンなどの鎮痛補助薬の重要性とその問題点が議論された。
 その他、緩和医療施設での神経ブロックの施行状況に関する他施設共同研究(鄭ら 聖隷三方原病院ホスピス)では、神経ブロックがperformance statusの改善やオピオイドの減量をもたらす可能性が報告された。
 本セッションでは、薬剤や治療をめぐる問題点が医師・看護師・薬剤師間で活発に議論され、集学的な雰囲気に包まれていた。

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