Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.36
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2007  36
一般演題 口演11
終末期医療(2)
座長・報告 : 大阪大学大学院医学系研究科  恒藤 暁
 このセッションでは、各医療機関における終末期医療の取り組みが報告されたので、その概要を以下に述べる。
 011-1は、非がん疾患患者の在宅ケアにおける主要な症状として呼吸困難、嚥下障害、食欲不振があり、特に呼吸困難が重要な課題であることが報告された。
 011-2は、終末期胃がん患者の予後予測としてPPI(Palliative Prognostic Index)の精度は不十分であったが、食事摂取の有無をスコアから除くことでより正確に予測されることが報告された。
 011-3は、フロセミドに反応しないがん性腹水のある患者3例に腹腔静脈シャント造設を施行した症例報告がなされ、その有効性と安全性、方法、倫理性などについて議論がなされた。
 011-4は、「かんわ支援チーム」が関与した終末期がん患者の高カルシウム血症の頻度、症状、治療効果、副作用、転帰が検討され、患者の状態を把握してうえで治療することが重要であることが報告された。
 011-5は、終末期がん患者のPerformance Status、食事摂取、傾眠をスコア化し、呼吸器系障害群と中枢神経系障害群に分けての検討したところ、呼吸器系障害群の方が中枢神経系障害群に比較して経過が有意に早いことが報告された。
 011-6は、急性期病院における病棟看護師を対象に末期患者の個室への移動基準、家族への時間と場所の提供、環境整備などの臨死期・死後のケアについて調査され、スタッフ間のコンセンサスが重要であると報告された。
 011-7は、頭頸部がんの緩和ケアの問題点として、難治性疼痛、呼吸困難や上気道閉塞、摂食障害、コミュニケーション手段の障害、嗅覚・味覚障害などが出現し、その対処方法についての工夫が報告された。
 緩和ケアの早期からの適応が強調されてきているが、それと同時に人生の総決算と言われる重要な終末期に適切なケアが患者と家族に提供される重要性が再確認された。

Close