Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.36
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2007  36
ワークショップ10
代替医療/栄養
座長・報告 : 京都府立医科大学大学院医学研究科 免疫・微生物学  今西二郎
 本ワークショップは、緩和医療における栄養の問題と代替療法に関する演題が混在していたので、これらを分けてまとめてみる。
 まず、栄養に関しては、島根大学附属病院臨床栄養部の川口美貴子先生から、頭頸部がん患者に対して、栄養サポートを施したところ、20例中12例で、良い結果が得られ、6例で栄養状態悪化がみられたと報告された。また、山陰労災病院豊田暢彦先生からは、消化器癌末期患者に対する緩和ケアにおいてNSTが重要な役割を果たすことを示された。
 長崎医療センターの木下明敏先生からは、肺癌患者の長期生存者の免疫能(NK活性など)が上昇していること、性格として、TEG(エゴグラム)でFC(free child)がやや高い傾向にあることを示された。
 つぎに、代替医療に関する演題として、山陽病院宮内貴子先生から、終末期癌患者の倦怠感に対するアロマセラピーを使用した足浴の効果について、報告された。結果としては、足浴そのものは、倦怠感の改善に有用であることが示されたが、アロマセラピーの付加的効果については、再検討を要するとされた。
 彦根市立病院の黒丸尊治先生からは、緩和ケア領域における治療的代替医療を取り入れることは、それらの科学的根拠が確立していなくても、QOLの向上を図ることができとされ、患者に希望を与えること、治りたいという思いを支える手段、何も治療をしていないことへの焦燥感の緩和、終末期の告知の際に提示する治療手段、あきらめきれない家族の心理的ケア、ある種の苦痛症状の緩和に利用できるとした。しかし、それに伴うマイナス面も指摘された。
 国立国際医療センター緩和ケア科の有賀悦子先生からは、代替療法としての非特異免疫賦活剤の保健適応外投与における効果を、文献検索を行い検討された。その結果、一部の免疫賦活剤に関して小規模の臨床試験は行われているものの、全体として、科学的根拠が確立されているとはいえない旨、報告された。

Close