Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.36
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2007  36
巻頭言
緩和ケア激動期における第13回総会の位置づけ
広げる、深める、つなげる 〜技と心〜
第13回日本緩和医療学会総会会長/静岡県立静岡がんセンター 緩和医療科
安達 勇
 第13回日本緩和医療学会総会は2008年7月4日、5日に東海道線東静岡 駅に近接した「静岡グランシップ」で開催される。本学会も13年目を 迎え、いろいろな課題を抱えた医療改革の激動期に差しかかっており 、この総会の位置づけは極めて大切であると認識している。
 2006年の診療報酬改訂で「在宅療法支援診療所」が規定され、今年 はさらに「がん対策基本法」が制定された契機に、がん医療は急速な 変革期を迎えることとなった。全国の二次医療圏にがん診療連携拠点 病院286が認定されることによって地域緩和ケアネットワークの構築が 重要視されるようになった。それには住民への緩和ケアの啓発、医療 者への教育、そしてなによりも大切なことは患者・家族が希望する場 所で療養できる医療環境の整備が大切となる。日本の緩和医療を支え ている当学会の存在価値が益々重要となって来ている。 
 2006年に学会はNPO法人化され、会員数も年々3割増となり現在は 5,800名と巨大化してきている。日本における緩和医療も先達らの努力 に伴い緩和ケア病棟から一般病棟での緩和ケアチーム、緩和ケア専門 外来、さらには地域での在宅緩和ケアチームと拡大し、すでに緩和ケ アは病院施設から地域文化に溶け込むことが望まれている。第12回の 総会では「地域をつつむ緩和医療」をテーマに田中紀章会長のもとに 、各地で先進的に取り組んでいる実態がシンポジウムなどで報告議論 された。
 そこで、今回の総会のテーマとして三つの課題を提案した。即ち、 緩和ケアを標準化・均てん化するように教育・啓発活動により「広げ る」こと、緩和ケアの専門家として最先端の医療に挑戦し臨床研究を 通して「深める」こと、 シームレスな緩和医療を行えるように多職 種を「つなげる」、医療機関と地域を「つなげる」の3つである。特に 日本人としての和の心を大事にする「緩和ケアの心」をもって「緩和 のスキル、技」を身につけていただけるように総会プログラムを企画 した。参加者全員の聴講参加型の総会にするべく、前述のテーマにそ った特別講演、シンポジウム、パネルディスカッション、ワークショ ップやランチョンセミナー、ポスターセッションなど充実した内容の プログラム数多くを企画している。2008年7月4、5日静岡で会員の皆さ ま方とお会いできる日を心より楽しみにしている。

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