Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.35
日本緩和医療学会ニューズレター
May 2007  35
学会印象記
第21回日本がん看護学会学術集会印象記
聖路加国際病院がん看護専門看護師  中村めぐみ
 2007年2月9・10日、東京国際フォーラムにて、第21回日本がん看護学会学術集会が開催された。今回は第2回国際学術集会との合同大会ということで、プログラムも多彩であり、参加者は2,500名を越えた。
 紙面の関係上、その一部を紹介する。
 テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの上野直人氏による特別講演「日本型チームオンコロジーをめざして―キャラバン活動の展開―」では、米国の実情と日本の医療への期待が語られた。上野氏はチームオンコロジーの構成要素をABC(Active care team,Base support team,Community source)で表し、中心に位置する患者への治療の流れによりABCの比率が各職種で変化すると述べた。また、チームの一員としてのナースの“役割拡張”に熱い期待を寄せ、次のように投げかけた。「本当に参加しているか、それだけの知識を持っているか、主体的な行動をとっているか、コンセンサスを得ることに時間をとっているか、上からの指示を待っていないか、努力しているものを称賛しているか、名医やベテランナースに頼っていないか。」そして、めざすところは患者の満足と医療者の満足と病院経営の成功であると結んだ。
 日野原重明氏は、「愛のケアの本質Tender Loving Care」について、事例を交えながら自身の考えを述べた。いよいよ病者が末期状態になった時、その病棟のナースや訪問ナースが最期のケアに専念し、患者と一緒に一体となって死への準備をする態勢をTender Loving Careと称し、診療録にはTLCと書くとよいと提案した。また、「がんの診断はサイエンスだが、告知はアートである」という言葉もインパクトがあった。
 シンポジウム「がん看護におけるスペシャリストとのハーモニー」では、がん看護専門看護師、リエゾン精神看護専門看護師、がん性疼痛看護認定看護師、スペシャリストらと協働する看護師の間で討議がなされ、看護師―スペシャリスト間ばかりでなく、スペシャリスト同士、看護管理者を通じて、さらに患者とのハーモニーの大切さが明らかにされた。
 その他、教育講演やパネルディスカッションなども臨床実践に示唆を与える刺激的なものが多かった。

Close