Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.32
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2006  32
一般演題 口演2
緩和ケアチームの実践と課題/症状緩和のユニークな取り組み
演者 : 荒尾市民病院 外科  濱口裕光
名古屋掖済会病院 緩和医療科  家田秀明
静岡赤十字病院 外科  白石 好
新潟県厚生連村上総合病院 外科  林 達彦
SCORE-G(がん疼痛・症状緩和に関する多施設共同臨床研究会)  余宮きのみ
名古屋逓信病院 薬剤部  田中希久代
座長・報告 : 社会保険神戸中央病院緩和ケア病棟  岡田雅邦
 前半3題は緩和ケアチーム活動における各施設の現状と問題点について、後半3題は症状緩和における新しい手法や実践報告がなされた。
 荒尾市民病院緩和ケアチームの外科医である濱口氏は、チームの中心となり、各主治医が疼痛緩和治療を自ら処方実践出来るようアドバイス方式の指導を行い、主治医主導型緩和ケアを成功させた例を紹介した。名古屋掖済会病院緩和ケア科の家田氏は、緩和ケア病棟を持ち各専門スタッフの揃った診療加算可能な総合病院でも、未告知患者など加算要件を満たしづらい事例が多く、採算性がない現在の緩和ケア診療加算の問題点を指摘した。静岡赤十字病院外科の白石氏は、緩和ケア専門スタッフのいない一般総合病院の病棟内で行っているチーム活動状況を報告し、このチームが患者の予後認識を把握することで患者のギアチェンジに寄与出来た例を示した。
 新潟県厚生連村上総合病院外科の林氏は、自院で施行した消化器癌緩和手術症例3年間の検討を行い、7割の症例は重篤な合併症無く症状緩和され、術前PPS、PPIを調べることで術後の効果予測をする指標となり得ることを報告した。埼玉県立がんセンター緩和ケア科の余宮氏は、5施設共同でバクロフェンのがん性疼痛に対する有用性を調査し、特に突出痛や刺すような痛みに有効であり、眠気以外大きな副作用も無く鎮痛補助薬としての効果が期待できると報告した。名古屋逓信病院薬剤部の田中氏は、薬剤師会オンコロジー研究会の取り組みとして、がん患者が訴える痛みの言葉120種類の表現リストを作成、その表現と各オピオイドの有効率を検討し、新しい疼痛評価ツールを作成、紹介した。
 緩和ケアチームは緩和ケア専門職の有無といった施設格差が大きいが、いずれの施設もそれぞれの悩みを持ちながらも活動奮闘されている様子を垣間見た。後半3題は、明日からの診断治療の一助となり得る報告であり、早速試してみようと思われた方も少なくなかったのではないかと思う。

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