Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.32
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2006  32
総会の総括
第11回日本緩和医療学会総会を終えて
第11回日本緩和医療学会総会長  内布敦子
 「緩和医療におけるケアの本質」をテーマに、2006年6月23日、24日神戸国際展示場で開催されました第11回日本緩和医療学会は予想以上の参加者を得て盛会のうちに無事閉会することができました。皆様の熱心なご参加にまず感謝したいと思います。誠にありがとうございました。最終の集計によりますと学会参加登録者は3876人、登録演題数は485でした。総会前日の評議委員会では、6月16日(15日付帯決議の採択)に成立したがん対策基本法について厚生労働省の説明をお聞きし、緩和医療ががん対策の重要な柱になっていることを認識しました。このような社会的動きは、参加者、演題数の急増に大いに反映しているのではないかと思います。
 第11回総会は、看護職が初めて総会の会長を務めさせて頂きましたが、プログラム委員は医師職10名、看護職4名で、プログラムの構想から渉外まで多岐にわたってご支援を頂きました。また理事会や評議委員会の委員の皆様をはじめ会員の皆様には様々な役割をお願いしましたが、いずれも快くお引き受け頂き、どれほど助けられたかわかりません。
 プログラム委員会ではテーマである「ケアの本質」に迫る企画に取り組みました。会長講演、特別講演や3つのシンポジウム、2つのパネルディスカッション、2つのワークショップ、5つの教育講演、その他指定演題、口演(12題)、ポスターセッション(473題)、市民公開講座を4つの会場をフルに活用して行い、できるだけ多くの情報を参加者の皆様が得て頂けるようにしました。おかげさまで看護の色彩が表に出たことで、あらためてケアの概念について考え、医療者自身が自分自身をケアする必要にも気づくことができたという評価を数カ所から頂きました。特に医療者のバーンアウトをテーマにしたシンポジウムは継続的に発展させたいというお声があることも伺っています。
 ポスターセッションは、座長を立てずに演者と参加者が直接討議するという形式でしたが、会場のあちこちで質問をする人たちの姿が見られ、むしろコミュニケーションは活発だったように思います。反面プレゼンテーションの機会がなく不全感をもたれた参加者の方もおられましたので、さらに良い方法を模索しなければなりません。各セッションの報告は今後ニュースレターを通して行われると思いますので、それに譲りたいと思います。
 投稿規定や査読では研究の倫理的配慮を求めました。倫理的配慮を求めることは時代の趨勢でもありますが、貴重な事例の発表などで、本人(故人の場合とくに)の了解を得ることが難しい場合、発表者は大変苦慮なさったのではないかと思います。普段は診療の目的で患者情報を得ていますので、「研究」という異なる目的にその情報を用いる場合、本人の了解やそれなりの手続きが必要です。貴重な臨床の経験を積み上げるために、研究倫理の手順に慣れて行く必要もあると思います。今回は私達も試行錯誤で皆様に倫理的配慮を要求するという状況でしたので、発表者を困惑させたこともあったかと思います。この場を借りてお詫び申し上げます。
 兵庫県や大阪府など近畿圏からから多くの看護師、学生の皆さんがボランティアに駆けつけてくださいました。本当にありがたく、感謝しています。反省点も多いことは承知しておりますが、多くの皆様のご参加を得て、ともかく事故もなく終わったことをスタッフ一同深く感謝し、皆様に心からお礼を申し上げます。

Close