Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.31
May 2006

日本緩和医療学会 ニューズレター第31号

学会印象記
高知緩和ケア研究会 第6回研究発表会・第1回教育講演会
千葉県がんセンター整形外科  安部能成
 南国土佐の春風に吹かれる中、平成18年3月12日の朝、高知市文化プラザかるぽーと大ホールで、高知緩和ケア研究会 第6回研究発表会・第1回教育講演会が、高知緩和ケア研究会により開催された。本研究会は1995年5月に、高知県の緩和ケアの質の向上を目指して発足した。講演会や研究発表会、ホスピスボランティア講座、会誌の発行などを行い、現在、250名の医療者や一般市民の方が集っている(講演会パンフレットによる)、という。午後には、第11回 豊かないのち講演会、があり、第1部シンポジウムでは「がん治療とホスピスの掛け橋」をテーマに3人のシンポジストによる討論が、続く第2部は、「心とたましい―病む人とともにいること―」と題し、文化庁長官で臨床心理学者の河合隼雄先生の講演会が行われた。
 午前中の研究発表会は各々2名の座長がついた2部構成で発表された。セッション1は、1「患者の代理決定者となった家族への援助を通して」図南病院緩和ケア病棟、高橋晶子(以下、敬称は省略)、2「在宅ホスピスケアにおける訪問看護師の役割」訪問看護ステーションしもぢ、弘末美佐、3「緩和ケア病棟におけるベランダ園芸の効果に関する考察」いずみの病院緩和ケア病棟、溝渕将弘、4「その人らしさを生かした看護援助について」高知厚生病院緩和ケア病棟、片岡千恵、の4演題が発表された。セッション2では、5「緩和ケア病棟における死に直面した患者の言動に対する看護師のジレンマと対処」細木病院緩和ケア病棟、北村充恵、6「ホスピスで勤務するプライマリ・ナースにとっての癒し」もみの木病院緩和ケア病棟、藤原明美、7「患者さんや家族と話すことが一番大事と教えてくれた一症例」高知医療センターペインクリニック科、青野寛、8「急性期の現場から思うこと」近森病院医療相談室、野村真紀、の発表があった。この後、第1回教育講演会として、千葉県がんセンター整形外科の安部能成上席専門員により「がん緩和ケア(ターミナルケアを含む)におけるリハビリテーションの試み」の話があった。この後さらに、高知緩和ケア研究会の平成18年度総会が行われ、盛り沢山な午前の部が終了した。
 本研究会代表世話人の山口龍彦先生によれば、午前・午後と一日を費やすのは初めての試み、と言う。ほとんどがボランティア活動である本研究会は、高知の女性パワーの活動水準を示すとともに、10年間にわたり本研究会を守り、育てて頂いた諸先生方の御支援あっての事と推察される。このような地道な活動が、全国学会の隆盛に寄与しているにちがいないという印象を抱いて、会場を後にした。

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