Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.30
日本緩和医療学会ニューズレター
Feb 2006  30
ポスターセッション I-A-01〜07
緩和ケアチーム1
司会・報告 : 北里大学病院  近藤まゆみ
 近年、注目度の高い緩和ケアチームの取り組みや課題に関する発表であった。
 I-A-1は緩和ケアに関するナースの研修に参加した受講者が、一般病棟において知識の普及に努めた結果、スタッフの緩和ケアに対する関心の向上と、チーム間の話し合いの質が向上したことが報告された。
 I-A-2は大学病院における緩和ケアチーム発足後の活動と課題の報告があり、様々な課題への問題解決としてチームと病棟の連絡調整の工夫、他部門との情報交換、各科に配置されているリンクドクターの活用などが提案された。
 I-A-3は総合病院の緩和ケアチームの活動報告であった。このチームでは緩和ケア対象者を悪性腫瘍患者と限定しておらず、「全ての死に行く人にたいするケア」として位置付けていた。発表された方の熱い思いとその哲学が伝わる発表だったと同時に、緩和ケアチームとは何かを考える機会になった。
 I-A-4は地域中核病院の緩和ケアチームの活動報告であった。病院自体が急性期医療と地域との連携を大きな目標と掲げており、その中で緩和ケアチームの役割も病院の特徴や地域における役割を視野に入れた活動を目指していることが発表された。
 I-A-5の疼痛緩和ケアチームの活動は、入院や外来のがん治療における全ての段階の苦痛に焦点をあてており、疼痛緩和に加えて「疼痛緩和パス」の作成と使用、化学療法の副作用対策や日常生活指導、外来化学療法のシステム作りなど多岐にわたった活動であった。今後はがんに限らずすべての痛みを視野に入れた活動を目指していると報告された。
 I-A-6は市民病院の緩和ケアチームの取り組みが報告された。特に体制が特徴的であり、緩和治療を現場で実施する5つの治療部門別のチームが、それを支援・指導するチームにコンサルテーションを行い、その後症例検討を行なうという体制の紹介があり、その効果や問題点について発表された。
 I-A-7は緩和ケアチームに依頼のあった患者の依頼から死亡までの期間と化学療法施行中の患者の割合を比較し、その患者に対するケアについて発表があった。WHOの定義によると「緩和ケアは治癒を目的とした治療に反応しなくなった患者に対するケア」と定義づけられているが、化学療法中の患者に対するチームの関わりが有効であったことから、治療期の患者に対する緩和ケアチームの関わりについて考える必要性を示唆した発表であった。

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