Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.29
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2005  29
Current Insight
Palliative Care勉強中
聖路加国際病院(西群馬病院)  小林 剛
 現在私は東京の聖路加国際病院緩和ケア科に2005年4月から臨床研究員として勤務しています。勤務当初は色々な面で戸惑っていましたが、次第に一般診療から緩和ケアへの頭の切り替えができ、今は充実した日々を送っています。私は平成8年金沢医科大学を卒業した後、故郷の群馬に戻り群馬大学第一内科に入局し、呼吸器、特に肺癌診療を中心に約10年間行ってきました。
 その私が『なぜ緩和ケアに進むのか?』とよく聞かれますが、特にきっかけはなく自分で考えてもはっきりわかりません。ただ、緩和ケアについては医者になった時から興味があり、その時は漠然といつかはやってみたいと思っていました。肺癌診療に進んだ理由の一つに緩和ケアへの興味があったからです。今年医者になりちょうど10年目の区切りの年になったため、以前から興味があった緩和ケアの世界に進むことを決心しました。そこで西群馬病院の齋藤龍生院長に相談したところ、聖路加国際病院緩和ケア科を勧めて頂き、このたび6ヶ月間ですが研修をさせて頂きました。研修後は西群馬病院緩和ケア科に勤務することになっています。
 研修を通して、緩和ケアの分野ではEvidenceとともにExperienceも重要であること、そして他職種と連携を取りながら充実したチーム医療を行う上で、チームが一丸となって患者様に関わっていくという姿勢を学びました。EBM(Evidence-based medicine)も大事ですが、経験に基づいた治療がたくさんあるという点は緩和ケアならではだと思いました。また、勤務当初、緩和ケア病棟の夜勤看護実習やボランティア実習などを経験したことで、初めて他職種の重要性や大変さを実感しました。6ヵ月間の研修でしたが、色々な経験をさせて頂き、本当に充実した研修を送ることが出来ました。今回、聖路加国際病院緩和ケア科で研修を行うことが出来て、そして今後の緩和ケア診療のスタートを聖路加国際病院で行うことが出来て、本当に良かったと思います。
 緩和医療を専門的に行うのが緩和ケア病棟やホスピスですが、現在群馬にはまだまだ施設の数や周囲の環境が整っていないのが現状です。しかし、緩和医療自体は特殊な設備がなくても、癌治療を行う病院であればどこでも可能な治療ですので、徐々に緩和医療を重視する医療施設や緩和ケアチームを設置している施設も増えてきています。出来る限り色々なものを吸収して、群馬での緩和医療に少しでも貢献が出来ればと思います。
 林章敏先生をはじめ諸先生方、医療スタッフの方々には色々お世話になり心から感謝いたします。

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