Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.29
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2005  29
ポスターセッション II-H-06〜09
医療者の教育(卒後2)
司会・報告 : 名古屋大学医学部保健学科  安藤 詳子
 ポスターセッションII-H-6〜9の4演題は、看護師・薬剤師などの医療者に対する卒後教育に関連したテーマでした。
 日本医科大学千葉北総病院外科の山田岳史先生は、麻酔科、泌尿器科、看護部、薬剤部と共同して、看護師の「緩和ケアにおける知識・意識」について現状を調査し、知識得点が低い内容を重視して学習会を実施した結果を発表されました。現状を把握した上で効果的に学習会を計画する取り組みとして評価されると思います。今後、現場に精通した教育プログラムを作成して公開し、病院間で切磋琢磨して取り組めるとよいと思われました。
名古屋大学医学部保健学科の澤井美穂先生を始めとする教員グループは、「一般病棟で緩和ケアを実践する看護師のストレス」の調査結果について、精神的ケアや症状緩和に対するストレスが高いこと、看護師の経験年数やカンファレンスの実施状況によりストレスの強度が異なることなどを報告されました。一般病棟でより良く緩和ケアを実践するために、カンファレンスの頻度を増やすことや看護師の経験を有効に活用することの意義が示唆されました。
宮田広樹先生を始めとした東京都病院薬剤師会の緩和ケア領域薬剤師養成特別委員会のグループは、「緩和ケアの専門性を有する薬剤師育成の試み」を発表されました。当会の病院薬剤師を対象に、専門医・専門看護師・薬剤師による教育講座、症例グループディスカッション(GD)、学習確認テストを実施した結果、GDへの参加動機が高く、その意義が報告されました。さらに充実した取り組みが期待されます。
 NPO法人楽患ネットの岩本ゆり先生らは、「患者の目から見た医療を知る〜患者から学ぶこと〜」を発表されました。患者や遺族が『いのち』『生きること・死ぬこと』『医療に対する思い』を医療関係者に話すことは、聞き手にとって体験者の生の声から自身の臨床における態度を振り返る機会となり、また、話し手は自らの体験を語ることで起こる葛藤やその意味に気づき、相互に必要な場であることが示されました。互いに積極的に関わって活動していくことが望まれます。
 緩和ケアに関する卒後教育は、卒前教育がまだまだ不十分な現状において、より効果的に各病院や学会・研究会等で充実して取り組まれることが必要です。このセッションでは、その効果的な方法について様々な角度から検討することができたと思います。

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