Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.29
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2005  29
ポスターセッション II-G-06〜10
代替医療2
司会・報告 : 彦根市立病院緩和ケア科  黒丸 尊治
 このセッションではアロマセラピーに関連する5演題が発表された。
 伊波華先生の「不定愁訴に対するアロマオイルを用いた足浴効果の基礎的研究〜アロマ群と温浴群の比較〜」はアロマオイルを付加した足浴と温湯のみの足浴における生理的ならびに心理的変化を検討したところ、生理的変化には有意な差はみられなかったが、リラックスの程度はアロマ群の方が有意に高かったというものだった。
 岩下眞一先生の「乳がん患者における芳香療法の有用性の検討〜選択的電流知覚閾値(CPT)とサーモグラフィー」は、乳がん患者に対してアロママッサージを15分施したところ、CPTは正常域に近づき、サーモグラフィーでは両手及び背部の皮膚温の上昇が認められたとの報告であった。
 今村由香先生の「乳がん患者に対する芳香療法の有用性〜継続的施術とPOMS」は、1回15分のアロママッサージを週一回、三ヶ月間継続して行ったところ、不安、抑うつ、怒り、活気、倦怠感、混乱の項目でマッサージ前に比べ1週間後で有意に改善が認められ、抑うつ、倦怠感に関しては第2,3週にも改善が認められたというものだった。
 神里みどり先生の「がん患者の症状コントロールにおけるアロマセラピーの有効性〜文献レビューを通して」は、過去約5年間の医学中央雑誌から31件の文献を抽出し、それを検討したものだった。結論としては倦怠感や化学療法中の副作用症状のコントロールにアロマセラピーは有効である可能性があるが、デザインなどに問題があるものも多く、さらなる研究が必要であると述べていた。
 宮内貴子先生の「終末期がん患者の便秘に対する腹部アロマテラピーマッサージの有効性の検討」は、オピオイド使用中の便秘症状を有する患者に5分程度の腹部に対するアロママッサージをクロスオーバーデザインで施したところ、排便回数や排便量には差がなかったが、アロマ群は対照群に比べ腸音回数と便秘評価尺度で有意な差が認められたというものだった。
 いずれの演題も、アロマセラピーの研究に対する熱心さがうかがえるものだったが、デザインや対象者数、施行方法に不十分な点があり、さらなる工夫が必要であると思われた。

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