Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.29
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2005  29
ポスターセッション II-F-01〜06
痛み以外の身体症状緩和3
司会・報告 : 山王病院 緩和ケア  角田 純一
 このセッションでは6つの演題発表があった。前半4題は、鎮静に対する薬物投与の発表で、後半2題は、輸液に関するものであった。
 まず、「フェノバルビタール持続皮下注射時における血中濃度予測支援ソフトの考案とその臨床適用」では、鎮静の問題点としての過量投与を避けるため、血中濃度を予測することで安全に行うことを目的としたものであった。予測値と実測値の乖離を分布容積の補正として再計算すれば十分な予測性が期待されるものであった。血中濃度と鎮静レベルとの相関が明らかになればさらに有用と考えられた。続いて、「終末期がん患者の不眠に対するセコバルビタールの有効性」の発表があった。ベンゾジアゼピン系鎮静薬が無効となった場合に、どの薬剤を投与すべきかを検討したものであった。セコバルビタール併用はベンゾジアゼピン系鎮静薬が無効となった場合の終末期の不眠に有効である可能性が示唆された。今後安全な投与量、耐性形成の有無、投与量の設定についての検討が期待される。「塩酸デクスメデトミジン:緩和医療における新しいconscious sedationの試み」では、集中治療における短期間の鎮静管理に適応された新しい薬剤であるが、鎮静中にも呼名にて意識が回復し会話や簡単な動作が可能であり、緩和医療の分野にも期待される薬剤である。conscious sedationとして緩和医療の分野への応用が期待される。今後さらに検討を要するものである。「がん患者の症状緩和に対するプロポフォールの有用性」についての発表があった。調節性に優れた鎮静薬であるが、血圧低下、呼吸抑制等の有害事象についての注意が必要である。特に緩和ケア病棟での実施については、慎重に検討する必要があると思われた。
 続いて輸液についての発表について2施設から発表があった。「当院ホスピス病棟で輸液療法を行わず死亡退院した症例の検討」では、本人・家族が穏やかな療養を望み、穏やかな療養ができ、食事摂取が死の近くまで可能であったことによるものであることが明らかにされた。輸液療法のメリット、デメリットを明らかにし、今後の治療に役立てていくことが期待された。「一般病棟での終末期胃癌大腸癌患者への輸液の実態〜緩和ケア病棟との比較」では、一般病棟での輸液は、緩和ケア病棟に比較して入院早期より行われ、輸液量も多い傾向が明らかにされた。終末期癌患者の看取りの多くが一般病棟であることから、終末期癌患者の輸液療法については、今後とも検討を要すものと考えられた。

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