Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.29
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2005  29
ポスターセッション II-E-07〜12
痛みの緩和8
司会・報告 : 新潟県立がんセンター新潟病院 麻酔科  丸山 洋一
 フェンタニルパッチは現在本邦で最も多く使用されているオピオイド製剤であるが、調節性に劣るのが最大の欠点である。本セッションにはその開始時の用量決定に関する演題が多く寄せられた。特にフェンタニルパッチの使用に先行し、フェンタニルの持続静注・皮下注法による用量決定に関する演題が4題あり、長崎大学の北条らの報告をはじめ、いずれも注射剤0.6mg/日:パッチ剤2.5mgの換算比に基づく6時間毎の注射剤半量漸減法を概ね妥当としており、名古屋掖済会病院の久田らは薬剤師の立場からプロトコールシート及びチェックシートを利用した安全な切換法を紹介した。日赤和歌山医療センターの弘中らは薬物動態を考慮した予想効果器濃度算定の有用性を強調し、北里大学の伊藤らは患者毎の綿密な観察の重要性を強調していた。また大阪府立成人病センターの目黒らは、発熱・肝血流の減少などがあると、フェンタニルの血中濃度が異常に上昇する危険性を指摘し、さらに鶴岡市立庄内病院の鈴木らはオピオイドの使用量が少ないうちにパッチに切換え、その特性を良く理解することが最期までパッチによる疼痛コントロールを継続する上で重要であるとした。以上、フェンタニルパッチの臨床使用がいよいよ成熟期を迎えることを予感させるセッションであった。

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