Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.29
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2005  29
ポスターセッション II-C-01〜05
ホスピス・緩和病棟1
司会・報告 : 埼玉県立がんセンター  余宮きのみ
 当セッションでは、病棟を運営していく上での個々の取り組み、遺族による評価、スタッフのストレス、経済的な問題の発表があり、フロアとの活発な意見交換が行われた。
 II-C-1:香川県内に唯一の緩和ケア病棟における歩みが報告された。・開設当初3年間程は医師の勧めで転院する患者が多かったが、徐々に本人、家族の積極的な希望によるものが増加している。・在院日数は半数近くが14日以下でありギア・チェンジが遅すぎる。などの結果から、今後の課題として地域での緩和ケアのさらなる浸透、啓蒙活動の重要性が示された。
 2:院内の緩和ケア病棟看護師10名にインタビューを行い、入棟時の患者・家族への情報提供と情報収集のポイントが報告された。情報収集として「家族の情報」「希望・目標」が重要と考えられる一方で、収集不足である項目として挙げられた。
 3:多施設のホスピス・緩和ケア病棟の遺族調査でケアに対する評価点が低かった遺族22名に対する面接の結果が報告された。不満足要因として、(回復するという)希望を支えることの欠如、個別性の尊重のなさなど7点が挙げられ、より良いケアのための示唆深い点が挙げられた。また設備の不備、入院時の不便さ、家族の介護負担など病棟単独の努力では解決困難な点も含まれると思われた。
 4:4施設のPCU看護師65名に対し質問紙による調査を行い、PCU看護師のストレス状況が報告された。8割でストレスを感じており、看護経験年数が少ないほど情緒的消耗が高い傾向があり、またPCUでの就職を希望していた看護師はそうでない場合と比較し、個人的達成感が有意に高いという結果が示された。
 5:PCUの経済的な現状が報告された。設備投資、経費、人件費なども含めると、差額ベッド代の助けを借りても、実質医療コストは包括診療額の1割ほどに抑える必要があるという厳しい現実が報告された。

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