Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.29
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2005  29
パネルディスカッション
代替療法
司会・報告 : 国立病院機構四国がんセンター(現 筑波大学)  兵頭一之介
 本学会においてパネルディスカッションにこのテーマが取り上げられるのは2回目である。初回は第7回総会(松山)で「緩和医療における代替療法の現状と問題点」につき討論が行われている。今回の学会では「緩和医療に有用な代替療法」を会員へ紹介することに主眼を置き、東京大学の河先生とプログラムした。京都府立医大の今西先生には代替医療総論を解説いただいた。さらにアロママッサージの研究からストレス軽減、うつや不安の軽減、免疫能増強、QOL改善などさまざまな効果があり、緩和ケアの多くの場面で使用可能であることが紹介された。緩和ケアにおける漢方の役割につき三谷先生(京都府立医大)に方剤決定のプロセスを症例提示しながら説明いただいた。基本として陰陽、虚実の判定、寒熱や気血水の判断に基づき西洋医薬に加えて作用の弱い漢方薬から処方するとされた。その他、がん性疼痛に対する鍼灸(明治鍼灸大学、篠原先生)、健康食品に関する注意点(大阪大学、大野先生)、緩和医療におけるリラクセーション(福島県立医科大、荒川先生)を解説いただいた。緩和医療という総合的な全人的なケアを提供する分野において、とりわけ代替医療は大きな役割を担うことが期待されている。しかし、今回取り上げられた療法が全国どこの病院でも実施できるわけではない。また漢方や健康食品など患者の期待の集まる療法においては薬理作用が不明、品質管理が一定でない、臨床試験が計画し難いなどの多くの問題が残されている。今後、この分野の多くの研究を通じて本学会から質の高いエビデンスが発信されることと、その成果が普及することを期待している。

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