Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.29
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2005  29
レクチャー4
EBM
司会・報告 : 埼玉医科大学呼吸器内科  小林 国彦
 緩和医療は、臨床研究により明らかにされたevidence based medicine(EBM)で診療を行いにくい分野である。これは、緩和治療期の患者を対象とした大規模な比較第III相試験がやりにくいためと考えられ、narrative based medicine(NBM)に頼らざるを得ない状況である。しかし、緩和治療技術の有用性を証明する手法の発達に伴ってこの分野でもEBMを作り出す時代となった。爽秋会クリニカルサイエンス研究所の瀬戸山修先生のレクチャー4「緩和医療へのEBMの応用−その可能性と限界」では、とくに,痛みなどの症状の評価やquality of life(QOL)などの客観的に評定できるアウトカムを使用できる時代になったこと,および、これらの患者データを各施設共通で蓄積し解析することにより意義のあるエビテンスを生み出せることを示された。一方、比較試験だけがエビデンスではなく、患者データベースの解析によってエビデンスが得られることも示された。結論として、いずれの方法によって得られたエビデンスでも、患者に適切に評価された緩和医療を提供することの重要性を強調された。
ちなみに、日本緩和医療学会では、2006年早春にその学会雑誌を電子ジャーナルで発刊予定であり、学会としてもEBMを記録・蓄積することになります。会員によるEBMの構築を期待します。

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