Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.28
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2005  28
学会印象記
第13回日本ホスピス・在宅ケア研究会に参加して
千葉県がんセンター整形外科  安部 能成
 2005年6月17日から19日までの日程で、被爆60周年を迎えた広島市において開催された第13回日本ホスピス・在宅ケア研究会に参加する機会を得たので報告させて頂きたい。昨年の福島大会は9月の開催で時期がずれたが、6月の広島は入梅したにもかかわらず好天に恵まれた。
 開会式に先立ち、広島県が全国に先駆けて開設したデイホスピスを中心とした、広島県在宅支援センターの見学会が開催された。午前と午後の2班に分かれ、それぞれ70名ほどが3時間近くを与えられた。広島市南区の広島県立病院内に新設された病棟は、隅々に行き届いた設計がなされており、スタッフの持つ臨床経験の豊かさを物語っていた。しかし、説明を伺っていると、ホスピスの本質は建物のようなハード面ではなく、いかなる運営を行うかという、ソフト面が問題である。その点でも、所長に本家好文先生、室長に阿部まゆみ先生という、この分野の第一人者を得ていることは羨ましい限りであった。
 明けて土曜日の朝9時過ぎからの開会式には、285万広島県民代表の藤田県知事さん、115万広島市民代表の秋葉市長さんの御臨席を頂いたことからも分かるように、広島の人々の熱意があふれていた。市民参加、及び専門職との共同作業を目的とする本会では、「先生」と呼んでしまうと罰金という規則の元、市民と専門職が対等、ということに特色がある。参加者も、患者、患者家族、各種NPO代表から、学生さん、僧侶やチャプレンなどの宗教家、ドクター、ナース、リハビリテーション・セラピスト、サイコロジスト、ソーシャルワーカー、ケアマネジャー、そして、ジャーナリストから作家にまで及んでいた。
 今回の研究会では「寄り添う心 わかちあう心〜私はあなたを一人にしない〜」をメインテーマに、シンポジウム、ワークショップ、教育講演、口演、ポスターなど盛り沢山の発表形式であった。多種多様な参加者の経歴を反映して、発表内容も多岐にわたり、その水準も様々であったが、特にポスターセッションは、発表時間、及び、ゆったりとした空間設定の点で、特記すべきものであった。
 参加総数5,400人に及ぶ本研究会を成功に導いた、大会会長の石口房子さんを始めスタッフの方々の御苦労は充分に報われたものと思われる。閉会式の後、中国からの留学生と音楽療法士による、二胡とピアノの演奏に浸りつつ散会することができたのも、粋な計らいを感じた。次回は、2006年6月24〜25日に神戸で開催される予定である。

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