Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.28
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2005  28
ポスターセッション III-F-01〜05
痛み以外の身体症状の緩和7
司会・報告 : 聖路加国際病院  中村めぐみ
 このセッションでは5つの演題発表が行われた。
 III-F-1は急性期下肢リンパ浮腫に対する複合的理学療法の効果についての報告であった。トレーニングを受けた医師による複合的理学療法施行前後で、血清ALB値や体重に有意な変化はなくても、歩行可能となりPSの改善には有効な治療であることが示唆された。ただし効果を維持するには、患者指導によるセルフケアの継続が必須となる。
 III-F-2もリンパ浮腫に対する治療の工夫で、MLDとスキンケアに精神安定・血管拡張・抗菌作用を有するアロマブレンドオイルを併用していた。また運動療法の一つとして経皮的電気刺激法で、筋群別パンピングによる深部リンパ管・静脈の輸送亢進を図ったところ50%に有効であり、リンパ還流において筋収縮運動の重要性が示唆された。
 III-F-3は悪性腫瘍の進展による下大静脈狭窄に対して、金属ステントを留置した場合の症状緩和の評価で、技術的成功率・臨床的有効率とも非常に高い結果であった。またステント留置後の併用抗癌療法可能例では予後の延長も認められていた。課題として、適応規準・治療戦略・保険承認・静脈用ステント・併用療法が挙げられていた。
 III-F-4は看護師による発表で、症状マネジメントモデルを概念枠組みとして、TAE後の肝細胞がん患者の倦怠感の体験・マネジメント方略・症状の結果の分析であった。倦怠感に対して患者は表現しづらく仕方ないと引き受け、医療者からは積極的に対処する表現が見られなかったことに関し、医師よりTAEの副作用や倦怠感自体への治療はどうであったかという投げ掛けがあった。
 III-F-5は出血・浸出液・悪臭を伴う皮膚に露出した癌に3〜5%に希釈した歯科用ホルマリンを塗布したところ止血効果が得られたという報告であった。即効性・持続性があり、安価・簡便な方法であるが、正常な皮膚に付けない注意も促された。
いずれも症状緩和・QOL向上に貢献する実践報告であり、多くの聴衆が集まり質疑応答がなされた。

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