Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.28
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2005  28
ポスターセッション II-I-01〜07
事例報告3
司会・報告 : 名古屋市立大学看護学部  石黒千映子
 7題の発表をして頂きましたが、大きく2つのテーマに分かれていたように思います。第1のテーマは、『身体症状の改善』に関するものです。除痛目的で挿入された硬膜外カテーテルの固定方法を工夫することで長期間の留置を可能にし、安定した疼痛コントロールが行えた「カテーテル固定法を工夫し長期間硬膜外鎮痛を行った2例」、尿バルーンカーテーテルによる嚥下訓練を食事前に実施することで嚥下障害を改善し、患者の食生活の質を改善した「肺癌末期患者の嚥下障害にバルーン法を導入した一事例」が該当します。
 第2のテーマは、『新たな視点を取り入れた患者理解と看護ケア』に関するものです。何度も看護スタッフが集まって患者の言葉の意味を検討し、心身両面からのアプローチで呼吸困難感への看護を実践した「一人で呼吸困難感に向き合う患者へのかかわり」、描画法を取り入れ患者の心を慮り、提供した看護ケアについて検討した「終末期患者の自立を支えるケア」、マーガレット・ニューマンの健康論を用いて患者を理解し、適切な疼痛コントロールへと導いた「疼痛コントロールにおけるケアリング」、多職種が1つの事例について話し合うことでより深く患者が理解できた「事例検討会を通じての学び」、STASを用いて患者と家族の思いを理解し、作成した標準看護計画をベースに看護ケアを提供して問題解決を図った「一般病院急性期病棟における終末期にある患者の標準ケアプランの導入」が該当します。
 どの演題も大変貴重で臨床的価値の高い内容でした。今後事例報告を行う場合も、医療を提供する場合と同様に、多職種によるチームで進めていくことが事例報告の質の更なる向上につながると思います。
 演者の方もさることながら、フロアからも“硬膜外カテーテルを留置して入浴は出来るのか”、“標準計画の内容をスタッフ全員が理解し、統一した看護が提供できるようにするために、どのような取り組みを行ったか”等の具体的な質問が多く出され、患者中心の医療(看護)を提供しようという熱意に満ちたセッションでした。

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