Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.28
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2005  28
ポスターセッション II-F-07〜13
痛み以外の身体症状の緩和4
司会・報告 : 高崎健康福祉大学短期大学部 看護学科  岩崎紀久子
 本セッションは痛み以外の身体症状の緩和ということで、口腔ケアから終末期の鎮静まで幅広いテーマで報告がされた。
 II-F-8の木下氏の発表は、口腔ケアを嫌がる患者の口臭対策にティートゥリーが有効だった症例報告であった。消毒殺菌効果があり、含嗽や内服も可能であるティートゥリーを応用してみての報告であり、今後さらに他の症例にも活用できる興味深い発表であった。
 II-F-9の田中氏は緩和ケア病棟の患者に対して、歯科衛生士を中心とした口腔ケアを行うことによる患者の主観的および客観的満足感の変化を検討したものであった。具体的に患者からはさっぱり感が得られたなどの反応があり、多職種によるチームアプローチの重要性が示唆された。
  II-F-10の平春氏は癌性臭気対策として、潰瘍部の生食洗浄、メトロニダゾール軟膏処置の療法と5段階の臭気スコアを設定し評価した報告を行った。臭気は患者のみならず家族にも不快なものであり、早期から評価と対策を行うことの重要性が強調された。
 II-F-11の藤吉氏は頭頸部癌患者の終末期鎮静法について、一事例を通した鎮静法の実際と問題点の検討を行った。ここでは頭頸部癌の特性をふまえ、最終手段としての鎮静を行ううえでの倫理的責任の重さや人間としての尊厳を守ることの重要性が再確認された。
 II-F-12の羽賀氏は緩和ケア病棟入院後に褥瘡が発生したターミナル期患者の褥瘡発生要因を検討した。その結果寝たきりの患者だけでなく移動可能な時期の患者にも褥瘡が発生することが報告された。動作時のずれや摩擦に着目した今後の具体的ケアの取り組みに期待する。
 II-F-13の山上氏は乳癌術後の緩和ケアの時期に心タンポナーデをきたし心嚢ドレナージを施行した症例報告を行った。結果として症状緩和と家族と会話を持つ時間の確保につながったが、この時期に適応かどうかの判断は非常に難しく、医療者間での慎重な検討の必要性を示唆する報告であった。いずれの発表も終末期の患者に生じる様々な症状に対する個別性を取り入れた対応であり、このような個々の患者に対する積み重ねが、今後の新たな取り組みの糸口になると実感させられた。

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