Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.28
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2005  28
ポスターセッション II-D-07〜13
痛みの緩和6
司会・報告 : 紀和病院  後明 郁男
 侵害受容性疼痛に対しては、オピオイド鎮痛薬の中枢性鎮痛とNSAIDsの末梢性鎮痛のダブルブロック(すなわちWHO方式がん疼痛治療法)が機軸的治療法として定着したが、維持療法の発達によりがんとの共生期間が延びている今日、神経因性疼痛が絡みこんできて、非常に不快かつ激しい疼痛体験にさらされる患者が一般的になってきた。骨転移痛も対処に苦労することが多い。またNSAIDsが使いにくい場合のアセトアミノフェンの使用も一工夫要する。
 このセッションでは、副作用が少なく、入手(作成)容易で、鎮痛効果が劇的といってよい、新しい薬物療法が6演題紹介された。バクロフェン内服、イフェンプロジル内服、エルカトニン注射、大量アセトアミノフェン坐剤(院内製剤)、マグネシウム静注、リドカイン持続注射である。いずれも事例数が少ないのが難点ではあるが、将来に大きな希望が輝く内容であった。第7演題は、趣が異なっていたが、がんの進行状態と薬物治療の基本戦略のあり方のあいだの関連性を論じて面白かった。
 ちなみに、筆者は、この2日後より、腕神経叢浸潤の激痛事例にさっそくマグネシウム静注法を使わせて頂き、劇的に奏功した。

Close