Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.28
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2005  28
ポスターセッション II-D-01〜06
痛みの緩和5
司会・報告 : 北里大学医学部麻酔科  外 須美夫
 緩和ケアチームの取り組みに関する演題が集まった。名古屋大学医学部附属病院薬剤部の宮崎雅之氏は、呼吸器内科病棟における疼痛緩和への薬剤師の取り組みを紹介した。疼痛緩和マニュアルを作成するとともに、チームによるカンファレンスを開催し、薬剤師が積極的に関与することにより、オピオイドの適正使用を推進することができた。金沢大学科学研究科医療薬学専攻の宇野慶子氏は、疼痛緩和チームによるオピオイドローテーションの実態調査を報告した。モルヒネによる嘔気がオキシコドンやフェンタニルパッチへのオピオイドローテーションで軽減した事例を紹介し、緩和チームによるサポートの重要性を示した。
 社会保険中京病院の久田純生氏は、緩和ケアチームにおける薬剤師の仕事を紹介した。チームが発足してから3年間経過する中で、オピオイド使用量が増え、病棟看護師の業務量が増加した。そこで、麻薬処方箋と麻薬残量報告書を一体化して病棟看護師の業務をスリム化する方策を提示した。京都府立医科大学附属病院疼痛緩和医療部の小西洋子氏は、オキシコドン徐放錠の最近の使用状況を調査した。モルヒネ徐放錠からオキシコドン徐放錠への使用動向が顕著に現われていることを示した。
 岡山済生会総合病院緩和ケア科の石原辰彦氏は、リエゾン型オピオイド回診という独自のチーム医療を紹介した。がん性疼痛に対してオピオイドを使用しているすべての患者に、当該科からの依頼と無関係に、緩和ケアチームが介入していくもので、押しかけ型の介入と呼んでいる。患者と直接的に接するのではなく、オピオイド投与に関して医療者にアドバイスを行うもので、長年の病院内での経験と評価に裏付けられての取り組みである。市立岸和田市民病院の中良子氏は、一昨年より開始した緩和ケアチームの介入により、疼痛コントロールや排便コントロールがどのように改善したかを2事例を挙げて紹介した。
 緩和ケアでは、チーム医療が実現されてこそ、患者のQOLも緩和ケアの質も向上していくということをあらためて実感した。

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