Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.28
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2005  28
ポスターセッション II-C-06〜10
ホスピス・緩和ケア病棟2
司会・報告 : 千葉県がんセンター緩和医療科  渡辺 敏
 本セッションは,緩和ケア病棟における運営上の問題点・ケア技術・医学的考察,といった多岐にわたる演題をご発表いただいた。
第一席の山内氏の発表は,奈良県内初の緩和ケア病棟ということでその立ち上げの苦労部分の紹介から始まり,そしてまだ間もない運営状況を披露された。反省点は,運営開始前の緩和ケアチーム活動の不十分さとのことで,今後病棟開設を企図されている施設への一つの示唆となった。県内唯一・20床ということで必要なケアを享受できる絶対数に限りがあり,そのことへの対策も視野に入れての今後へ期待したい。第二席(川上氏)は,患者さんへの看護満足度の調査研究の発表であった。日々行われる数々の看護・医療が医療者側の自己満足に陥らないよう常々見直す努力が必要であるが,すでにパブリッシュされた評価方法を用い,その研究成果をご紹介いただいた。項目の「看護師の対応」については得点が高く,一方「日常生活」が得点が低く,より高度の症状緩和が要求されているとの結論であった。第三席(堺氏)は,終末期が近づくにつれより困難になっていくことの多い体位変換をより簡便に行うためのシート,およびそれの使用経験の紹介・発表で,会場で実物の呈示もあった。便利なものは普遍的な供給が望まれるが,時には転落のおそれもあり研修が必要とのことであった。第四席(延藤氏)は,緩和ケア病棟入棟にあたっての患者・家族の理解の齟齬がテーマであり,五施設PCU勤務看護師への質問調査をもとに研究発表された。「PCUは死に場所」という否定的印象で理解されていると感じたナースが多かったとのことである。PCUは通常は「よりよい看取りの場」を意識して設計されておりそしてまた多くの看取りがあり死に場所であることには替わりがないが,その過程をより具体性をもたせての情報発信が重要ということであろう。第五席(長江氏)は,終末期の生存期間の予測をテーマにした発表で,臨床的観察項目に輸液量の多寡を交えての研究であった。なかなかエヴィデンスの得られにくい領域であり,今後さらに数を重ねての有意差の呈示を期待したい。

Close