Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.28
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2005  28
ポスターセッション I-C-08〜14
痛みの緩和2
司会・報告 : 久留米大学病院緩和ケアセンター  福重 哲志
 このセッションは緩和医療の分野で活発に活動されている薬剤師の方々を中心とした発表であった。静岡県立静岡がんセンターの片岡智美氏は院内でレスキューとして処方されたオピオイドの1回あたりの投与量を検討し発表された。その結果、緩和医療科での投与量と比較し、当初は他科では1回あたりの投与量が多かった。しかし、緩和ケアサポートチームの活動や、院内でのオピオイドの使用方法に関する知識の普及に伴い、適切な投与量になったと述べられた。北里病院麻酔科緩和ケア外来の野挽恵美子氏は、緩和ケア外来でオピオイドが導入された48名の患者における、導入後28日までの電話相談について発表された。電話相談総数は54件で、投与開始3日後までが20件と最も多いが、2週間後まで毎日相談があり、便秘、痛み、悪心・嘔吐、眠気が主な相談内容であったと述べられた。オピオイド導入後の問題が気軽に電話相談できるというシステムは他施設でも見習われるべきと思われた。北里大学病院の伊藤俊雅氏は北里大学病院における2001年4月から2005年3月までの各医療用麻薬製剤使用量の変遷について発表された。モルヒネに換算した総使用量は年毎に増加しており、デュロテップパッチ、オキシコンチンの発売に伴いモルヒネ徐放製剤の使用量が減少している。オピオイド製剤の種類の増加に伴い、情報提供を行う薬剤師の役割はますます大きくなると述べられた。東北労災病院の高橋浩子氏は、医療用麻薬管理について全国の緩和ケア病棟132施設、緩和ケア病棟を持たない癌診療拠点病院65施設にアンケート調査を行った結果について発表された。2/3の緩和ケア病棟では麻薬の定数配置があるのに対して、一般病棟では全くなかった。麻薬金庫の管理は大部分は看護師が行っている。病棟薬剤師の参加を希望する意見が多く認められた。また、レスキューの患者自己管理や、注射薬以外の医療用麻薬の病棟定数配置について、法令との整合性を期待する意見も多く見られたと述べられた。神奈川県薬剤師がん疼痛緩和研究会の平山武司氏は「がんの痛みはがまんしないで--私たち薬剤師がサポートします--」という市民公開講座を開催し、会場で行ったアンケート調査の結果について発表された。アンケートは参加者の70%315名から回収でき、回収者の内訳は一般市民47名、患者30名、患者家族36名、医療関係者183名、その他7名であった。このような公開講座により、モルヒネに対する誤解や偏見が解消される。また、オピオイドの説明は100%で薬剤師から受けることを希望されていると述べられた。藤沢市民病院の笠原香苗氏は、事例から医療用麻薬を使用中の患者が海外渡航する場合の問題点について発表された。医療用麻薬使用中の患者が海外渡航するためには、麻薬携帯許可証が必要であり、渡航中や、渡航先での病状変化に伴う準備も必要であると述べられた。医療麻薬使用者が海外渡航する機会は、今後増加するものと思われ、その際の対応について各施設で準備しておくことが必要であると思われる。関西労災病院の土佐直子氏は関西労災病院における医療用麻薬の使用状況の変遷について発表され、医療用麻薬の種類が増加するに連れて、薬剤師の持つ役割がますます大きくなる。薬剤の特長のみならず、患者の状態に応じたきめ細かい対応が薬剤師にも求められると述べられた。デュロテップパッチ張り替えカレンダーの作成などの工夫についても発表された。

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