Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.28
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2005  28
一般演題(口演)3
リハビリテーション
司会・報告 : 千葉県がんセンター  安部 能成
 当セッションは本学会で初めて組まれたリハビリテーションに関する口演発表であった。はじめに、会場の8割近くを埋めて下さった参加者のご協力により、携帯の音もデジカメのフラッシュもなく粛々と発表できたことを感謝いたします。
 第1席の、我が国におけるホスピス緩和ケア病棟でのリハビリテーションの方向性に関するする研究、では、日本全国のホスピス/緩和ケア病棟を対象に調査を実施し、60%を超える回収率の元にリハビリテーションのニーズがあることを踏まえ、今後の問題点を経済的問題と職員養成にある、と検討課題を整理された。
 第2席の、緩和ケア病棟でのアンケートに基づいたリハビリテーションアプローチの試み、では、患者さんの希望を出発点としたニーズ把握を質問紙法で行い、40%近い回収率を得て、心身状態と要望との関連を示したものとして注目されたが、終末期患者に対する調査の方法論にはフロアから質問が出された。
 第3席の、緩和ケア病棟における理学療法の役割、では、2年間のデータ収集に基づき、退院群と看取り群の2群に分類しての比較検討を試みた意欲的内容であったが、本邦初という、がんセンターにおけるリハビリテーション科の特色、及び、その中での多職種チームにおける理学療法の独自性の検討という観点では、いま少し踏み込んでほしかった。
 第4席の、緩和ケアチームにおける理学・作業療法士の役割、では、身体的問題の専門家としての役割を担う理学・作業療法士が、治療構造的に心理的問題を扱い易い立場にあり、スピリチュアルペインへの目配りが肝要であることを示された。その意味で、リハビリテーションは身体的苦痛のみならず心理的苦痛も対象とし得ることが再確認された。
 第5席の、緩和ケア領域におけるリハビリテーションアプローチ、では、ある種の物理療法が末期肺癌の一症例について有効、と報告された。しかし、その適応について述べるには、比較検討を行うとともに、症例数を増やすなどのデータの蓄積が必要であろう。
 第6席の、通所リハビリテーション施設における医療サービスの提供状況、では在宅緩和ケアを支える手段としてのデイホスピスの有用性を指摘され、そこでのリハビリテーションのあり方にまで分析が及んでおり、施設に限定されがちであった問題の、新たな展開を調査に基づいて行った点が極めて興味深いものであった。
 当日は、フロアからの質問も多数出され、盛会のうちに終了できた。次年度以降も、このようなリハビリテーション・セッションが設定されるか否か、新たな課題をも感じさせられるという意味で、実りの多いものであったことをご報告申し上げたい。

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