Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.26
日本緩和医療学会ニューズレター
Feb 2005  26
学会印象記
第28回日本死の臨床研究会年次大会
筑波大学臨床医学系  庄司 進一
 第28回日本死の臨床研究会年次大会は11月27日〜28日つくばで開催されました。つくば国際会議場は新しい国際会議場として注目を集めていますが、この会場に2100人を超える参加者を集めて大会が開催されました。
 この大会は「生と死を学ぶ」を基本テーマとして、話術の天才的な養老孟司氏や永六輔氏の講演、生きがい論で大変人気のある飯田史彦氏の講演など聴衆を魅了し、笑いと感動の中に生と死を考える良い機会が得られました。
 年次大会が派手になり、有名人を多数招いて、規模が大きくなってきたと批判がありましたが、本大会は手作りの大会をモットーに、無駄な装飾を排し、基本テーマに適切な人選がなされていると思います。
 教育講演は「終末期のだるさのケア」と「死の臨床の研究」で、いずれも緩和ケアの診療と研究の世界に大きなインパクト与えたと思います。「病因別の緩和医療」のシンポジウムは、がんを中心として発展してきた緩和医療が各種の死因別に新たに発展する必要な時期であることを再認識させられました。「死の臨床の教育」のシンポジウムは、あらゆる年代や職種に死の教育をする必要があり、それに共通するプリンシプルがあることを聴衆に印象づけました。「死の臨床に於ける補完・代替療法」のシンポジウムはこの方面の発達が強く求められていることを感じました。パネルディスカッションの「死の恐怖からの解放」は、スピリチュアルケアの関心が現在とても高いことを聴衆の多さから印象づけられました。
 この大会の特徴の一つとして、事例検討はじめすべての発表で患者のプライバシーを守るために、討論に必要不可欠な情報以外は個人情報を伏せるという原則を徹底させた初めての大会となりました。これからの口頭・紙面を問わず発表においてこのような基準を守ることが一般的になっていくだろうと思われます。
 市民の参加が多かった大会でした。最後のプログラムの市民公開講座の交流セッションの聴衆は市民活動の力強さに深い感銘を受けたと思います。
 以上主催者側からの印象ですが、参加された方々の率直なご意見をお聴きしたいと思います。

Close