Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.25
Nov 2004

日本緩和医療学会 ニューズレター第25号

学会印象記
第7回国際サイコオンコロジー学会に参加して
千葉県がんセンター整形外科  安部 能成
 日本では猛暑に襲われていた8月23日から6日間、人魚姫の像で有名なデンマーク王国のコペンハーゲンで開催された第7回国際サイコオンコロジー学会とワークショップに参加する機会を得ましたので報告致します。会議の規模は詳細が不明ですが、本学会の副会長である国立がんセンターの内富先生のお話しでは毎回拡大の一歩を辿り、今回が最大規模であろう、とのことでした。
 学会に先立ち、デンマーク対がん協会で開催されたワークショップは、事前に15のメニューがあり、がん患者のリハビリテーションを選択した。出席者は20名程で、すぐに隣人と親しくなり、大学院のゼミと言った雰囲気。米国からの招待演者のほかはデンマークの発表で、この分野でナショナルプロジェクトを推進している意気込みが感じられた。デンマークでは、対がん協会・コペンハーゲン大学・保健省が共同して、がんサバイバーにリハビリテーションを行い一定の成果をあげている、と報告された。
 3日間にわたる会議は、対がん協会とは海を挟んで対岸に位置する王立工芸大学を会場に行われた。23の招待講演のほか、487の一般演題は、40のシンポジウムと2日間のポスターに分れていた。前者の会場は、メインホールから小さな教室までバラエティーに富んでいたが、筆者の参加した所では、いずこも熱心な討議が交されていた。また、ポスターは広い会場に近接演題が並べられ、ゆっくりとした時間が配分されていた。我が同胞の生真面目なプレゼンテーションに比べ、ヨーロッパのは表現方法に優れたものが多いようだった。
 ちなみに、ワークショップにはじまる、がんリハビリテーションは、シンポジウム2つに8題、ポスターに10題あり、一般演題全体の3.9%を占めた。この数字は日本国内では、リハビリテーション医学会の過去10年の平均値の3倍である。がんリハビリテーションにおいて我が国は、またもや追い抜かれた。
 緩和ケアでは、前述のワークショップが米国のブライトバートの司会であり、招待講演ではノルウェーのカーサと米国のブルエラが発表を行った。また、一般演題はPalliation/Painの分類で、シンポジウム1つに5題、ポスターに13題出ており、全体に占める割合は3.9%であった。
 デンマークの人々は、ほとんど自国語を喋らず、会議の公式言語である英語で通していたのが印象に残った。また、港町コペンハーゲンは海産物に恵まれ、鮭、鰊、鰻、舌平目、名前の分からない魚や海老、たこ、烏賊に至るまで、美味しく頂いた。特筆すべきはコングレス・ディナーで出されたワインの上等なこと。その反面、物価の高いことも驚きで、概略東京の2倍であった。
 なお、次期第8回大会はイタリアのヴェニスで2006年10月18〜21日に開催されることが決定。皆様の参加を御願い致します。

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