Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.25
Nov 2004

日本緩和医療学会 ニューズレター第25号

学会印象記
World Society of Pain Clinicians(WSPC)に参加して
国立がんセンター中央病院緩和ケア科  下山 直人
 WSPCは、さる7月11−16日に東京の国際フォーラムで東京大学麻酔科の花岡教授の会長のもとで行われた。日本ペインクリニック学会(日本大学小川教授)、日本疼痛学会(佐賀医科大学十時教授)とのジョイントプログラムであり、全世界から著明なペインクリニシャンが集まった。がん性疼痛治療に関してはかなり力が入れられておりシンポジウムに加え9つのパネルディスカッションが組まれていた。もちろん神経ブロック、痛みの基礎に関するシンポジウム、特別講演なども組まれており、幅広い痛みの分野をカバーした学会であった。私は米国のNashbilleのVanderbilt universityのProf. Parrisと一緒にオピオイドローテーションの座長を担当するとともに、オピオイドローテーションのrationaleについてのフランスからの口演の後に日本でのオピオイドローテーションの現状について口演した。Dr. Parrisはがん性疼痛に対する神経ブロック、その他の治療に関してはいろいろな論文をだしており、学会前から緊張していたが、後述の宴会で事前にかなり親しくなっていたため、終始円滑にディスカッションが行われた。米国での現状から、オキシコンチンに対する警鐘がなされたが、日本では適応ががん性疼痛に限っていること、薬物依存患者も米国とは異なる状況にあることを説明した。しかし、がんの手術後の慢性化していく可能性がある疼痛に対する使用は特に注意していく必要があることが伺われた。学会運営上では、東京フォーラムの構造上の特徴からいろいろ迷うところが多かったが、つつがなく学会が終了した。私は今回の学会でのlocal committeeを仰せつかっており、主として招待外国人の夜の接待を担当した(こういうのが多いのです)。銀座の中で外国人が喜びそうなところということで、ブッシュ大統領もいったという居酒屋の姉妹店(親子丼がおいしい)でまず夕食を食べながら各国のがん性疼痛を含めた痛みの事情を語り合った。2次会はおきまりの(私は知らなかったのですが)カラオケ大会を企画するよう指示された。外国人(米国、イタリア、韓国、中国、など)は歌が好きであることがわかった。英語の歌が歌われるときにはみんなで合唱し、花岡教授の演歌の時にはみんなで聞き入った。夜中電車がなくなるまで盛況であり、最後は蛍に光の合唱、三本締めで宴会は終了した。日中の熱のこもった討論とはうってかわって、ペインクリニシャン、緩和医療の専門家の本来の優しさがかいま見られ、国境を越えた和やかな夜であった。

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