Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.25
Nov 2004

日本緩和医療学会 ニューズレター第25号

Journal Club
米国における、最後にケアを受けた場の終末期ケアに対する家族の認識
東京大学成人看護学/ターミナルケア看護学  宮下 光令
Teno JM, Clarridge BR, Casey V, et al.
Family Perspectives on End-of-Life Care at the Last Place of Care. JAMA 2004; 291: 88-93.

Context
 過去1世紀の間、ナーシングホームや病院が死を迎える場となることが増加してきた。しかし、施設における終末期ケアの適切性や質に関して、在宅死と比較した全国的な研究は行われていない。
Objective
 米国における在宅と施設における死の経験を評価する。
Design, Setteing, Participants.
 2000年の米国における197万人の慢性疾患による死亡者から2段階確率的抽出して得た1578人の故人の家族または他の故人を知る情報提供者を対象とした死亡追跡調査を行った。患者が少なくとも48時間以上を過ごした最後にケアを受けた場所における患者の経験を情報提供者に電話で尋ねた。
Main Outcome Measures
 患者・家族を中心にした終末期ケアの評価項目として、医療者が(1)望ましい身体的な安楽や情緒的なサポートを死にゆく患者に提供したか、(2)意思決定の共有を助けたか、(3)死にゆく患者を敬意をもって扱ったか、(4)家族の情緒的なニーズに気を配ったか、(5)調整されたケアを提供したか。
Result
 1578人中1059人(67.1%)が最後にケアを受けた場所が施設であった。519(32.9%)の在宅死のうち198人(38.2%)が在宅ケアサービスを受けておらず、65人(12.5%)が在宅ケアサービス、256(49.3%)が在宅ホスピスサービスを受けていた。痛みまたは呼吸困難をもつ患者のおよそ1/4が十分な処置を受けておらず、1/4が医師とのコミュニケーションに問題を訴えた。在宅ケア、ナーシングホーム、病院でケアを受けた人の1/3以上が患者に対する情緒的サポートを不十分としており、家族に対する情緒的サポートについても1つ以上の問題を訴えていた。在宅ホスピスでは家族に対する情緒的サポートの問題の訴えは1/5であった。ナーシングホームでは病院や在宅ホスピスに比べて患者が常に敬意を払って扱われていたという回答が少ない傾向にあった(それぞれ68.2%、79.6%、96.2%)。在宅ホスピスを受けていた家族は70.7%が全体的なケアの質を「非常によい」と評価したが、施設・在宅ケアサービスでは50%以下だった(P<0.001)。
Conclusions
 施設で死を迎えた人は症状緩和、医師とのコミュニケーション、情緒的サポート、敬意を払って扱われることに対する要求が満たされていないという回答が多かった。在宅ホスピスを受けた家族はより好ましい死の経験を報告する傾向にあった。

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