Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.25
Nov 2004

日本緩和医療学会 ニューズレター第25号

ポスターセッション
疼痛・QOL評価2
司会・報告 : 長崎大学  冨安 志郎
 疼痛・QOL評価2のセッションにおいてP2-84、85、87、88、89の5演題を担当させていただいた。
 P2-84は進行がん患者の療養生活のQOLの向上に重要な要素を、米国のSteinhauserらの方法を基に調査を行った結果の報告であった。それによると概ね「信頼できる医療従事者の存在」あるいは「病状・治療の十分な説明」の重要性が示唆されたが、病状が安定しているほどこの傾向が強かったことから、病状が安定していても患者の不安感は持続していることが推察された。
 P2-85は基本的知識、基本的技術、基本的看護サポートから構成されている包括的アプローチ法であるPRO-SELFプログラムが外来通院中の癌性疼痛患者にとっても有効かどうかの検討をおこなったものであった。対象6症例すべてで効果が認められ、患者及び家族の症状マネジメントのセルフケア能力が高まったことから、プログラムの有効性が示唆されたと同時に、通院中の患者にはいつでも相談できる窓口としての看護師の存在が重要と考えられた。
 P2-87は副作用の不安のためモルヒネの増量を希望しなかった2症例の面接逐語録を基にがん性疼痛治療の問題点を考察したものであった。オピオイドの使用や増量への躊躇や不安因子の分析は有効な疼痛治療において重要であることが示されていた。
 P2-88、89は全病棟共通の疼痛評価表を作成し、その効果を考察したものであった。いずれもその施設の特色に合わせて工夫がなされており、痛みに関する情報が統一され、医療者間で痛みの共通認識が得られ、ディスカッションができるようになったとの見解であった。P2-88はベッドサイドに記録を置くことで患者が痛みの評価に参画できるようになった、という効果も認められていた。P2-89は評価表とそれ以外の記録の重複を避ける工夫も取り入れられており、いずれも学ぶべき点の多いものであった。

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