Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.25
Nov 2004

日本緩和医療学会 ニューズレター第25号

ポスターセッション
在宅医療2
司会・報告 : 在宅緩和ケア支援センター虹  中山 康子
 今回の研究テーマからわが国の緩和医療の動向は地域ケアの視点で大きく動き始めていることが伝わってきた。国立国際医療センター有賀先生らは、緩和ケアコンサルテーションシステムの必要性を考察する目的で往診医を対象に郵送調査を行った。コンサルテーションシステムを有用とする医師は86%。しかし、往診医の症状緩和技術の自己評価と実施している疼痛緩和技術には関連がみられず、今回の研究から提案されるシステムは相談型ではなく、双方向のやり取りを可能にするシステムの研究が今後望まれると提案された。
 在宅ケアネットワーク香川緩和医療分科会合田先生、高島先生らは、地域ケアシステムつくりを目指したニーズ調査をかかりつけ医と地域中核病院に実施し、続けて2題発表された。かかりつけ医の70%が在宅緩和医療に関する研修会やネットワークを求めており、機が熟している地域の様子が伝わってきた。また、地域中核病院側の調査でも94%の病院が在宅緩和医療に関心を持ち、80%の以上の病院がネットワークつくりや中立の窓口設置を必要としていた。組織を超えて、地域の中でこのようなニーズ調査から取り組まれている実際を知り、在宅緩和ケアの活動形成の方法のひとつとして模範と捉えた。
 秋田県厚生連平鹿訪問看護ステーション右谷先生らは1事例から、若年がん患者の在宅ホスピスケアについて振り返られ、福祉との連携が在宅生活の維持には不可欠であることを結ばれた。在宅ホスピスケアにおける家族アンケート結果を発表された訪問看護ステーションあきた菊地先生らは、医療者の相談機能が自宅で看取りを経験した家族の不安の軽減に役立っていたことなどを見出された。
 今後の発表が、地域のコンサルテーションシステムやネットワーク、在宅でのチーム医療に関するものが増すことは、在宅緩和ケアの発展に向けて望まれることである。

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