Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.25
Nov 2004

日本緩和医療学会 ニューズレター第25号

ポスターセッション
在宅医療1
司会・報告 : 東札幌病院  長谷川美栄子
 6月17日(木)に行われたポスターセッション「在宅医療1」では、進行・末期癌患者の在宅生活を支える取り組みや、地域に根ざした緩和医療の普及など6題の発表が行われた。そのうち、4題は肺がんの事例であった。
 P1-109、横浜市立市民病院の国兼先生は、進行肺がん患者の在宅酸素療法(HOT)の適応について、以前の調査と比較すると今回の調査では限定された症例が対象になっており、施行期間も短くなっていることを報告した。呼吸困難に対する薬物療法も検討されている。
 P1-110、国立川棚病院橋富先生は、終末期肺がん患者および家族の希望をかなえた一時帰宅の実践報告をした。在宅における医療器具の利用システムや、制度の活用について討議された。
 P1-111、半田市立半田病院の小川先生は、病診連携を取りながら在宅終末期医療を実施し、その課題について具体的に示した。
 P1-112、医療法人社団爽秋会岡部医院の玉井先生は、終末期がん患者の在宅ホスピスケアにおける介護上の課題をあげ、地域における支援体制の必要性を述べた。
 P1-113、特定医療法人愛仁会太田総合病院の田中先生は、肺小細胞がん多発転移に伴う緩和困難な疼痛に対して、皮下埋込式硬膜外投与システムを用い、自己注入手技を習得後QOLの高い在宅生活が可能となった一例を報告し、興味深い内容であり、参加者からは多くの質疑応答がなされた。
 P1-114、福島労災病院の蘆野先生は、在宅ホスピスケアに先駆的に取り組んできて、豊富な経験から「地域に根ざした緩和医療」の普及が必要不可欠であることを強調した。在宅ホスピスケアを支える医療者の育成、介護の支援制度、一般社会や行政への啓発活動について実例を示しながら言及した。
 セッション全体として、参加者が多く、発表終了後も質疑応答があり、在宅医療に対する関心の高さがうかがわれた。

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