Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.25
Nov 2004

日本緩和医療学会 ニューズレター第25号

ポスターセッション
教育1
司会・報告 : 東京大学大学院医学系研究科  河 正子
 6題の演題中4題(P1-85〜88)は多職種緩和ケア教育カリキュラム(卒前教育)の現状を全国レベルで調査したものであった。演題それぞれでの調査対象職種は「臨床心理士」、「薬剤師」、「理学療法士・作業療法士」、「看護師」であった。質問紙調査対象教育施設からの回収率は「薬剤師」の場合を除いては50%に満たなかったものの、わが国の現状を把握する手がかりを与える貴重な調査であったといえよう。発表では、緩和ケア教育内容に該当する授業はある程度行われており、緩和ケア教育の必要があるとの回答割合は高く、80%に近い回答を示した職種もあったということである。しかし、緩和ケアという独立した科目による系統的なカリキュラムが組まれていないこと、職種によってはカリキュラム構造からくる課題などがあることが明らかにされた。誰がどのように教育していくのかを含めて、今後取り組むべき課題の大きさを認識させられる結果であった。
 P1-89は終末期ケアに携わる一般病棟看護師と緩和ケア病棟看護師への質問紙調査結果でそれぞれのストレスの実態を示しつつ、緩和ケア教育プログラムの方向を考察しようとする演題であった。
 P1-90は終末期看護実習を行う学生に、「死に対するイメージ」に関する質問紙調査を実施し、実習前後で死に対して肯定的なイメージをもつよう変化が認められたことを報告する演題であった。
 緩和ケア領域では、いくつかの先駆的施設で院内教育カリキュラムが整備されつつあり、また看護職が専門看護師、認定看護師教育カリキュラムを発展させている。今後はこれらの内容をさらに充実させつつ、多施設間、多職種間での理解を可能にする教育、臨床につながる基礎教育を作り上げていく必要がある。そのためにどのような研究がなされるべきかも学会内で議論する必要があるだろう。このセッションの6演題もその契機となるよう、論文化をしていただきたいと願うものである。

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