Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.25
Nov 2004

日本緩和医療学会 ニューズレター第25号

ポスターセッション
代替医療1
司会・報告 : ピースハウス病院  西立野研二
 このセッションには近年脚光を浴びている代替・補完療法のうちアロマセラピー、および漢方薬、音楽療法に関する発表がそれぞれ2題ずつ割り振られた。
 最初の2題とも水俣市立総合医療センター外科の谷川富夫氏らによるアロマセラピーに関する発表であった。まず、アロマセラピーの効果を聞き取り調査と電流知覚閾値とで客観的に評価しようとしたものであるが、対象の属性がやや不明瞭である。心身症と癌性疼痛とを分けて評価すべきであろう。次は一例報告で、アロマセラピーで悪臭を伴う組織破壊・感染に対処できた例と、治療抵抗性の癌術後疼痛に磁気・電気刺激療法が有用であったという例とを、併せた発表であった。多くの興味深い事柄を伝えたい発表者の意気込みはよく理解できたが、やはり一つずつ伝えるほうがよいと考える。
 漢方薬に関する発表は、どちらも一例報告であった。麻生飯塚病院外科の脇山茂樹氏らによる報告は、直腸癌術後骨盤内再発によるオピオイド抵抗性の頑固な臀部痛、下肢痛に「烏頭湯」という一般には聞きなれない処方が有効であったというものであった。エキス剤にはない処方で、独自に調合し、煎じる作業が必要である。帝京大学医学部付属市原病院麻酔科の中平千恵氏らによる報告は、乳癌腰仙椎転移に伴う下肢神経因性疼痛に一般的に入手可能な漢方エキス剤「桂枝加朮附湯」が有効であったというものであった。いずれの例も通常の対処法ではマネジメントの難しい痛みであり、それに対する有効な方法があるかもしれないことを示唆しており、興味深い。
 音楽療法に関する発表は、音楽が心身の様々な苦痛の軽減に役立つことを客観的な指標で示そうとしたものであった。松枝市立病院の西紫氏らは、唱歌や演歌、歌謡曲など患者の好む曲をオートハープで伴奏しながら歌うことにより、全身的な苦痛のある患者が動かないと思われていた手を動かすようになったことや、呼吸困難のある患者のSpO2値が明らかに上昇したことなどを報告した。筑波大学医療専門学群看護医療科学類の高橋多喜子氏らは、やはり患者の好きな曲を聞かせるという音楽療法で手術前後の不安軽減、疼痛緩和が得られることをコルチゾール、血圧、不安尺度、痛みVASの変化で確認したものであった。音楽療法の効能に関するさらなる確認研究に期待したい。

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