Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.25
Nov 2004

日本緩和医療学会 ニューズレター第25号

ポスターセッション
精神2
司会・報告 : 広島大学大学院保健学研究科  岡村 仁
 本セッションは主として精神的ケアに関する演題で構成されており、筆者は以下に紹介する5題の司会を担当した。
 「終末期がん患者のスピリチュアルケアの具体的介入方法に関する一考察」(尾立和美、他):看護記録から終末期がん患者のスピリチュアリティに関する言葉を抽出することで、援助プロセスを明らかにし、実践的な介入方法へつなげていこうという報告であった。本研究結果の実践への応用と、その有用性に関する今後の報告が期待される。
 「がん患者のSpiritualityとフランクルの実存分析(ロゴセラピー)の可能性−FACIT-Sp・PIL test・WHO-SUBIの関連」(野口 海、他):他の尺度との関連を通して、FACIT-Spがスピリチュアルケアの評価尺度として有用であることを示した報告であった。測定の難しいスピリチュアルケアの評価に取り組んだ研究であり、本尺度の実践への応用が期待される。
「対麻痺障害に関する緩和医療的リハビリテーション・アプローチ」(安部能成、他):がん患者の対麻痺に対するリハビリテーション・アプローチの、特に精神面に対する有用性とその重要性を示した報告であった。本結果を参考に、各施設が積極的にがん患者のリハビリテーションに取り組んでいくことを期待したい。
 「終末期にある患者の自律を支えるケア−自律:自身のたてた規範に従って行動すること−」(小尾加奈、他):症例を通じて終末期がん患者の自律について検討し、自律を支えるケアを考察した報告であった。これまであまり取り上げられてこなかった「自律」という概念に着目したものであり、今後も同様の観点からの症例の蓄積を期待したい。
 「末期癌患者のイメージ療法の効果」(渋谷節子、他):症例検討と患者へのアンケート調査の結果から、終末期癌患者に対する心理的支援としてのイメージ療法の有効性を示した報告であった。症例の蓄積と多施設研究による、本法の有用性に関するさらなる報告が期待される。
 以上、各施設において精神的ケアに関する積極的な評価や試みが行われていることが示され、本領域における今後のますますの発展が期待される興味深いセッションであった。

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