Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.25
Nov 2004

日本緩和医療学会 ニューズレター第25号

ポスターセッション
鎮痛1
司会・報告 : 兵庫医科大学 麻酔科学  村川 和重
 鎮痛1のセッションでの発表はすべてフェンタニルパッチに関するものであり、がん疼痛治療の中での位置付けを中心に語られた。緩和医療の中での疼痛治療の重要性を反映してか、涼しい札幌を期待していた参加者にとっては予想外の厳しい暑さそのままに、セッション会場では熱い議論の渦ができ、予定された時間はあっという間に過ぎて行った。
 P1-13では、モルヒネ使用の早期からフェンタニルパッチに切り替え、良好な鎮痛効果が得られ、低用量のモルヒネからの切り替えは容易であり、経口摂取不能例には良い適応との結論であった。P1-14では、モルヒネ投与でみられたせん妄症例に対し、フェンタニルパッチに切り替えることにより、せん妄が消失した経験が報告され、せん妄については様々な要因が関与しており、原因の究明が適切に対応するには重要との議論であった。P1-15では、疼痛管理とともにその他の症状コントロールとして、呼吸困難感、前胸部違和感、鎮静困難などの症状がオキシコドンやフェンタニルパッチによりコントロールできた経験が報告され、様々な症状の背景に痛みが潜在している可能性についての論議があった。P1-16では、人工透析患者の疼痛に対してフェンタニルパッチの使用により、良好な鎮痛効果が得られた経験が報告され、透析患者に対するオピオイドの使用に関する議論があった。P1-17では、Pain Management Teamによる活動報告として、フェンタニルパッチの低用量での半面貼付、複数枚数のパッチを24時間ずらして貼付する工夫などとともに、血中フェンタニル濃度の測定結果などが報告され、疼痛コントロールへの医療チームの有用性について議論された。P1-18では、経口モルヒネからフェンタニルパッチに切り替える際、最も重要である換算比についての多施設での症例の調査から迅速な切り替えのためには70:1が適切との報告であり、安全性を重視した150:1の換算比との認識の違いなどについて、様々な経験からの議論がなされた。
 このセッションでの発表はすべて経験症例を下にしたものであり、フロアからも参加者の経験による様々な意見が寄せられ、議論は大いに白熱したが、一部には限られた自らの経験に固執する傾向もあり、緩和医療の質を向上させるためには、経験を有効に積み上げていくことが必要であり、他施設での経験に対しても柔軟に受け入れる姿勢が重要との印象を強くした。

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