Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.25
Nov 2004

日本緩和医療学会 ニューズレター第25号

ランチョンセミナー2
麻薬を用いたがんの痛み治療における患者指導のポイント
演者 : 静岡県立静岡がんセンター薬剤部  篠 道弘
司会・報告 : 国立がんセンター中央病院  平賀 一陽
 最初に三十三間堂の観音様のスライドが映写されて、同じ様に見える観音様が一体一体全部異なるものであるが、私たちにはそれらの違いがすぐには分からないと解説した。最近、多くのオピオイド製剤が市販されてきたが、それらの特徴を全て学ぼうとすると、同じように混乱する可能性があるので、歴史が一番古いモルヒネを基準の薬として使いこなすことが大切である。具体的には、自動車教習所で習うのと同じように「痛みのマスターコース」を考え、使用法についてはステップバイステップでマスターすることを提案した。
第1段階として、(1)モルヒネに対する誤解や不安の解消(増量により鎮痛効果も増強、投与量の幅が大きい、投与中止が可能、依存症となる心配は不要)とA適切な副作用対策(下剤の調節方法、制吐剤の予防的使用、機序別モルヒネによる悪心・嘔吐対策など)をあげ、詳細に解説した。
 第2段階として、(1)至適投与量への増量、(2)増量への抵抗感を除去(文献で得た知識、経験した実例、海外で使用される薬剤)について解説した。
 第3段階として、(1)rescue doseの用法・用量、(2)基本投与量への反映について自験例を交えて詳細に解説した。同時に患者さんへの説明のツールの紹介も行った。
 最後に、(1)副作用対策の工夫、(2)rescue doseの設定、(3)適切な剤型の選択、(4)投与経路・成分変更時の換算や変更のタイミングについても言及した。
 演者が10年以上がん専門病院に勤務してきて、がん疼痛治療に関する知識と実践のスキルをどのように修得してきたかの過程が患者指導のポイントであると述べ、豊富な体験からモルヒネ投与時の服薬指導について分かり易く解説したので、参加者から好評であり、講演終了後もロビーで多くの質疑が行われていた。
 スライド原稿付きの講演録は、大日本製薬のホームページに掲載される予定である。

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