Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.25
Nov 2004

日本緩和医療学会 ニューズレター第25号

ランチョンセミナー1
オキシコンチン®錠:がん性疼痛管理の夜明け
演者 : 大分大学医学部 麻酔科学教室  服部政治
司会・報告 : 京都府立医科大学 麻酔科 ペインクリニック  細川豊史
 オキシコンチン®錠はがん性疼痛管理に使用するオピオイドであるオキシコドンの徐放剤である。本邦では、2003年から使用可能となっているが、米国ではすでに1996年からがん性疼痛、慢性疼痛治療に使用されている。このセミナーはモルヒネに比し、使用が簡単容易とされるオキシコンチン®錠の実際の使用法とその利点について、この臨床分野での第一人者である服部政治氏から詳述していただくことを目的に開催された。以下要点であるが、オキシコンチン®錠の一般特性は、
 1)Bioavailability が高い 2)速放、徐放の二相性の放出機構を持つ 3)モルヒネ製剤に比べ、副作用が軽い 4)年齢による用量調節の必要性が低い 5)12時間安定した効果が持続する
 また、本邦でさらに使用しやすい理由は、
 1)MSコンチンより安価である 2)「モルヒネ」という言葉に内在する医療者・患者両者の持つ先入観がない 3)5mgという少用量の製剤がある 4)効果発現が早く、除痛への導入が容易である
 長きに亘り、本邦ではさまざまな剤型のモルヒネ投与が中心のがん性疼痛治療であった。もちろんその普及による効果は広く認められているが、モルヒネ単独では副作用発現時など使用を中止せざる場合も臨床現場では多く認められた。このオキシコンチン®錠とフェンタニル貼付剤の登場により、いわゆるオピオイドローテーションに有効に使用できる薬剤が臨床使用できることとなり、今後さらに本邦において高質のがん性疼痛管理が普及することが期待できる。米国ではオキシコドンとアセトアミノフェンの合剤が抜歯後痛や小手術後の痛みなどに長く使用されていたために知名度が高かったこともあり、発売後約10年でその年間使用量は現在すでにMSコンチンも含めたがん性疼痛治療全般に使用する各種モルヒネ製剤の総量を凌駕するほどになっている。服部氏の可愛い三つ子ちゃんも二度に亘り登場した洗練された動きの早い豊富なスライドを用いての解説で、多くの参加者に大好評のセミナーであった。

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